東洋エンジニアリングで下方修正が続くワケ

海外案件で損失が止まらない

国内のエンジ会社の契約形態はあらかじめ工事全体の総額を決める「ランプサム契約」が主流だ。コストを抑制すれば稼げる、日本のエンジ会社が得意とする契約形態だが、プロジェクトの進捗が遅れれば巨額のコストオーバーラン(予算超過)が発生するリスクを背負うことになる。東洋エンジに近年相次いだ損失の多くは、急速な海外拠点拡充による、受注時のリスク見込みの甘さのツケが回ってきた格好だ。

受注高を膨らます「拡大路線」にほころび

2月の社長交代会見で「産みの苦しみ」と語って退任した石橋克基前社長

経営責任を取り、退任した石橋克基前社長は2月の社長交代会見の際に、現在の東洋エンジニアの状況を「産みの苦しみ」と語った。東洋エンジにとって海外拠点へのEPC移管は、厳しい入札競争で生き残るためには不可欠。事実、これにより受注高で見れば、2015年3月期は約4500億円と過去最高に達する見込みだ。しかし、肝心の利益が伴わず、海外拠点での固定費を賄うために、次々に受注を取りに行った「拡大路線」には綻びが生じてきている。

そんな中での、今回のブラジル事業の追加損失は、客先であるペトロブラスの汚職問題という外部要因の側面が強いものの、大きな痛手となっている。東洋エンジは2015年3月期中に損失の全てを計上するとしており、悪材料を2015年3月期中に出し尽くして新経営体制で業績回復を図りたいという思いをにじませる。

とはいえ、ブラジルの損失発表後、株価は大きく低迷。度重なる業績の大幅下方修正に市場の目は厳しくなっている。今2016年3月期には、マレーシアの石化プラントやトルクメニスタンのガス化学、瀬戸内メガソーラーの大型3案件の立ち上げが始まる。市場からの信頼を取り戻すためには、大型案件の確実な進行と採算化が求められるだろう。

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