無理な応札を進めたのには、東洋エンジならではの事情がある。実は競合の日揮と千代田化工建設は近年、受注額5000億円級のメガLNG(液化天然ガス)プロジェクトをオイルメジャーから次々に受注している。原油安やLNGの供給過剰で先行きの不透明感が出てきているとはいえ、受注残高の6~8割を占めて、業績の牽引車となっている。LNGプラント市場は日揮、千代田化工建設の日本勢とKBR、ベクテルの米国勢、フランスのテクニップの5社が事実上寡占しており、過度な入札競争とは距離を置いている。
一方で、東洋エンジはLNGプラントの心臓部である「中核装置」(天然ガスをマイナス162度で液化・圧縮する装置)を手掛けられず、折からのLNGブームに乗れなかった。そのため、国営会社向けの石油化学や肥料プラントの中小案件を手掛けてきたが、こうした非LNG案件は、欧州勢に加え、近年はサムスンエンジニアリングなどの韓国勢や中国勢も勢いを増している。また、新興国では、自国のエンジ会社に発注する保護主義的な傾向も強く、過度な入札競争に陥りやすい。
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