お金に困る人が知らない「人生の3大資金」の現実 人生100年時代をどう生きるべきか

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老後のお金については、多くの人が不安を抱いています。年金で支給されるお金だけで生きていくのは難しいでしょうから、お金を蓄えておいたり、60歳を過ぎたとしても働けるうちは働いたりしたほうがいいでしょう。かつて「老後資金は公的年金だけでは約2000万円不足する」と話題になったことがありましたが、老後といっても人それぞれ生活にかかるお金や生き方も異なるので、一概にそうとはいえません。

教育にはお金がかかるが、支援制度もある

人生の3大資金のひとつ、教育にかかる費用を見ていきましょう。幼稚園から大学までの教育にかかるお金は上で述べたとおり、すべて国公立の進路を選んだとしても、1人につき1000万円程度は必要です。

平成30年度の学習費総額を、幼稚園から高校まで公立と私立に分けると、下のグラフのようになりました。学習費総額は、学校教育費(授業料・修学旅行や遠足・学用品や図書・通学関係費)、学校給食費、学校外活動費(自宅学習や塾などの補助学習費・体験活動やスポーツなどその他)を合わせた合計額です。公立校と私立校を比べると、私立校は公立校の約2~5倍の学習費がかかっています。

教育費グラフ
出所:『僕らの未来が変わる お金と生き方の教室: 君が君らしく生きるために伝えておきたいこと』

子育てにはこの他に、食費や医療費、被服費などの生活費も費やされています。お父さんやお母さんなどの保護者は、生活費をやりくりしながら、子どもたちに必要なお金を支払っているのです。

自分が大人になったら子どもにこれだけのお金をかけてあげられるのか心配かもしれませんね。しかし、子育てについての支援制度は多くあります。

国や自治体による児童手当や奨学金制度、さらに民間団体やそれぞれの学校が独自に設けている奨学金など、教育費の負担を減らすさまざまな制度があるので、上手に利用したいところです。お金がないからといって、簡単に進学をあきらめることはありません。

ただ、気をつけなければいけないのは、  奨学金には返済が不要な「給付型」と返済が必要な「貸与型」の2つがあることです。貸与型の場合は、働き始めたら借りた額を少しずつ返済しなければなりません。奨学金の返済が大変だという社会人も多くいますので、その点は子ども本人が知っておいたほうがいいでしょう。

ここで紹介した支援制度以外にも、学用品・学校給食費・修学旅行費・寄宿舎居住経費・帰省費などの援助(3~18歳が対象)や、大学・大学院の学生への給与支給という制度もあります。どの年齢にも、それぞれあてはまる支援制度が用意されているのでチェックしてみてもよいでしょう。

また、財団法人や企業が行っている奨学金制度も多くあります。主なものを挙げると、あしなが育英会、交通遺児育英会、日本財団、キーエンス財団、コカ・コーラ教育・環境財団などがあります。利用する場合は「給付型」なのか「貸与型」なのか、貸与型の場合は、返済時の利子があるのかないのかなども確認しておきましょう。

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