結婚相手出会えない理由「男女でズレる」残酷現実 好きにならない女と好きになってもらえない男

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コロナ禍において婚姻数がこれだけ減ったなどという試算もありますが、実際コロナの影響を受けて婚姻が減るのはこれからの2023~2026年の4年間でしょう。

なぜなら、結婚するにあたって、恋愛結婚の場合交際期間というものがあります。出生動向基本調査によれば、結婚までの平均交際期間は2015年時点で4.6年です(参照:『恋愛結婚の人は大概25歳で出会っている残酷現実』)。

つまり、コロナ禍において結婚したカップルというのは、すでに2016~2018年には交際していたカップルであり、この3年間の婚姻減がコロナの影響によるものというより、そもそも減少するはずだったと解したほうがいいでしょう。むしろ、この3年間、若者から出会いの機会のことごとくを奪った「恋愛ロックダウン」のツケは、2024年あたりをピークに襲ってくる可能性があります。

若者が若者のうちに結婚できない問題

昨今の婚姻数の減少については、「若者が若者のうちに結婚できない問題」であり、その要因のひとつに経済問題があることは否めません。少なくとも、20代の可処分所得が1996年以降まったくといっていいほどあがっておらず、中央値で300万円に達しない現状があることも事実です。

いくら「結婚はお金だけでするものではない」ときれいごとを言ったところで、それは金銭的に余裕のある恵まれた人の話で、「貧すれば鈍する」の通り、お金がなければ結婚や恋愛どころか、日々生活することだけで精一杯になってしまう若者が半分もいるのです。

とはいえ、残念ながら「お金があれば結婚できるのか」という話でもありません。

「不本意未婚」結婚したいのにできない若者の真実』という記事に書いた通り、結婚したいのにできないまま未婚状態にある「不本意未婚」が4割以上存在します。特に、男性の18~34歳においては半数近くの49%が不本意未婚です。「結婚しようと思わない」選択的非婚が独身を貫くのは本人の自由としても、結婚したいのにできない若者が5割近くも存在するのは酷な話です。

その要因は「お金がない」だけではなく、「出会いもない」からです。

2021年の出生動向基本調査によれば、18~34歳男女に「まだ結婚せず独身でいる理由」のうち「お金の問題」としたのは男性で25%程度、女性は15%程度に対して、「出会いがない」は男女ともに約4割にもなります。結婚資金や結婚後の生活を心配する以前にそもそも「相手と出会えない」という問題が存在します。

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