「Bing」AIが作成したビジネスメールが秀逸すぎる 処理を的確な方向に導くための「パン屑」とは
しかし計算能力は有限であるため、そこには自ずと限界もある。
では、AIは「面白いけれども使い物にならない」道具なのかといえば、現状でも便利に使う方法はたくさんある。マイクロソフトが取り組んでいるのは、AIの限界を見極めたうえで製品にどのように組み込むか?というトライアルだ。
知的生産性向上の道具に使うためのヒント
繰り返し「AIは認知をしない」と書いてきたが、それゆえに生成される文章は論理的ではない。”勘違い”はその典型的でわかりやすい例とも言えるが「AIの作る文章は論理的ではない」とあらかじめわかっていれば、それを補う方法もある。
あらかじめ、答えの”論理的な構造”をAIに与えておけば、AIは指示通りの論理構造で結果を生成してくれる。
例えばChatGPTに「Python言語で、Pygameライブラリを用いてレースゲームを作ってほしい。自分の車は白、それ以外に登場する車はランダムに7色から選んで表示し、3周を事故することなく走り切るタイムを競う」と指示すると、Pygame(Pythonでゲームを作るための部品集)を用いて、シンプルなゲームを作ってくれる。
「ウェブURLから動画データをダウンロードし、動画全体から1分間の動画データを切り出してH.264形式にしたうえで、ftpで任意のサーバにアップロードするプログラムをPython言語で書いてほしい。切り出す動画の先頭時間はユーザーに尋ねること」と指示すると、必要な情報の入力をユーザーに促した上で、”ffmpeg”という広く使われている動画変換プログラムを呼び出して指示されたftpサーバにアップロードするプログラムコードができてきた(余談だがffmpegやPygameについて知りたければ、その質問をすれば適切な答えが得られる)。
指示の中に”ロジック(論理)”要素をたくさん入れるほど、AIはそのロジックを組み込んだプログラムを作ってくれる。難しいプログラムではないが、簡単な雛形(あるいはプログラム作成の課題をこなす程度)ぐらいは生成してくれる。
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