週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
キャリア・教育

「歴史的な円安」が示す、"日本の国力低下"の深刻 キーワードは「金利」と「国力」

6分で読める
  • 田村 耕太郎 国立シンガポール大学リー・クワンユー公共政策大学院兼任教授、2022~2026年一橋大学ビジネススクール客員教授
2/3 PAGES
3/3 PAGES

しかしながら、日本企業や日本のビジネスパーソンに伝えたいのは、シナリオプランニング、最低でもその頭の体操はしておくべきだということだ。「いくらわれわれ日本が望んでも、安全保障上の理由で中国とビジネスがいっさいできなくなる時代が来るかもしれない」ということだ。

加えて、もし台湾有事が中国の武力進出という形で起これば、中国に在留する13万人は人質になってしまう可能性がある。退避計画も企業と政府で練っておく必要がある。

もちろんこれは最悪の事態の想定である。もしそんなことになれば中国経済もそうとうな返り血を浴びるので中国政府として本意ではない。しかし、米中や中台のミスカリキュレーション(計算違い)から最悪の事態が起こってしまうこともあるのだ。

もちろん、日本のすぐお隣の台湾で武力衝突が起これば、日本のシーレーンも無事では済まないので、日本も台湾と並んで兵糧攻めにあってしまう可能性がある。経済的損失だけでは済まないかもしれない。

他国では代替できない中国の市場の大きさ

中国の市場の大きさは、今すぐ他国で代替できるものではない。その証拠に米中対立が深刻化しても、完全に相互のビジネス関係を断ち切ることは行っていない。しかし、武力衝突が東アジアで起こればそうは言っていられないであろう。

『地政学が最強の教養である “圧倒的教養”が身につく、たった1つの学問』(SBクリエイティブ)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

もちろん、だからといっていたずらに現在の中国を刺激するのは得策ではない。日本に踏み絵を迫っていたアメリカでさえも、日本に中国とのパイプ役を頼みたいという機運が高まっている。そう私はアメリカで感じた。

米中が緊張すればするほど日本が冷静にならないといけない。だが、最悪の事態は徐々にでも来ている。せめて頭の体操だけでも準備しておいたほうがいいだろう。

では中国市場を失いかねないという最悪の事態にそなえるために、中国市場を代替する国としてどこをさらに開拓すべきか? その候補として参加国を本書に挙げた。それらの国々を頻繁に訪れ自らもそれらの国々でスタートアップや不動産への投資をしている。その経験を踏まえてそれら3カ国の背景も記してあるのでぜひ本書を読んでいただきたい。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象