「組織のため変わった男」が失敗を経て学んだこと 鳥谷敬氏「他人の期待に応える必要はない」の真意
組織のために持ち味を消すか否か
熾烈なプロ野球の世界で居場所を確立するには、自分の能力や特徴をきちんと見極めたうえで、他人とは違う自分ならではの個性を発揮することが大切になる。
その際に、プロ野球でいえば「監督」、ビジネスの世界でいえば「上司」にとって使い勝手のいい、いわゆる組織においての“必要なピース”に徹することもとても大切だ。
このとき、ひとつの問題が生じる。自分の能力をそのまま発揮することが、チームや会社のプラスになるのであればなにも問題はないが、時と場合によっては「組織のために」、自分の持ち味を殺さざるを得ないケースもあるということである。
18年間に及ぶプロ野球生活のなかで、何度かそんなケースがあった。
すでにベテランとなっていた2015年オフ、チームメイトだった金本知憲さんが監督となった。金本監督は就任早々、わたしに対して、「レギュラーは確約だ」といってくれたが、同時に「長打力をアップさせるために、あと3~5キロは体重を増やせ」といい、同時に「打撃フォーム改造を」と口にした。


















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