ロシアが「むきだしの力」で行動するしかないワケ 状況は「第1次世界大戦」当時と酷似している
背景にはプーチンの「焦り」がある
地政学とは「その国の元首になる“ロールプレイングゲーム”」である。持続する現実的な平和を確立するためには地政学的理解が欠かせないのだ。
世界はジャングルの掟が支配する。フランシスフクヤマ氏が『歴史の終わり』で説いたような世界はやってこなかった。世界に自由民主主義が自然と広がり、国際機関や国際社会が国際法を使って平和を保障してくれるような世界はまだまだやってこないだろう。
現実的には平和とは力の均衡状態のことを言う。今回のウクライナ戦争は、プーチン氏がウクライナにおけるNATOとロシアの均衡状態が崩れたと判断して起こした。むき出しの力を使って状況を変えようとするリーダーの置かれた立場を理解して手を打たなければ、現実的で持続する平和はやってこない。
そのために地政学的理解、つまりロールプレイング的思考訓練が必要なのだ。善悪でリーダーを判断して勧善懲悪を期待してはいけない。そこも理解してわれわれ日本人は世論やビジネスの構築を目指すべきだろう。
ウクライナ戦争に勝るとも劣らないような地政学的リスクが、われわれが住む日本近辺にもないわけではないのである。
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