老け顔になる?「歯ぎしり」注意したい7つの点 歯ぎしりには3つのタイプ、最新の治療法も伝授

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最近の研究では、口以外でも歯ぎしり・食いしばりはさまざまな悪影響をもたらすことがわかり、頭痛(偏頭痛)、肩こり、顎関節症、顔の痛み、舌の痛み、睡眠障害などの原因の1つとされています。

また一昔前に「ぽっくり病」と呼ばれた突然死の原因である「睡眠時無呼吸症候群」(睡眠中に息をしなくなる状態)の人の70%以上が、歯ぎしり・食いしばりを行っていて、その関連性が深刻視されています。

そして、歯ぎしり・食いしばりは意外にも顔つきさえも変えてしまう怖さもあるのです。噛む動作をコントロールする大きな筋肉(咬筋)は、下顎の横の角から耳の前を通り頬骨にかけてあります。歯ぎしり・食いしばりは、この筋肉に過大な負担をかけ、いわば咬筋の筋トレをしているような状態です。

ガムを思いっきり強く噛んだ時より数倍から10数倍もの筋肉へ負担がかかります。これを長年にわたり繰り返すと咬筋が肥大して、下顎の角から頬にかけての下膨れの顔つきになります。この顔つきは丸顔とは異なりエラ張りのような顔つきなので、顔が大きく見えたり、老けたり、体が太った印象を与えます。

原因と対策は??

歯ぎしり・食いしばりの原因には2つあり、感情情緒的な原因(中枢性)と咬合(かみ合わせ)の原因(末梢性)に分けられます。

感情情緒的な原因とは精神的ストレスが溜まることで、脳のストレスを感じる部分(大脳皮質・扁桃体)が刺激され、歯ぎしり・食いしばりが起こること。動物実験でもあきらかになっています。日常生活のストレスに起因するので、ストレスが多く溜まるに従って歯ぎしり・食いしばりも強くなる時間が増えます。

一方で、むしろ溜まったストレスの解消方法が歯ぎしり・食いしばりとなって表れているとの研究もあります。

咬合が原因の場合は、咬合を改善することで歯ぎしり・食いしばりが改善することがわかっていますが、歯科医師が患者さんの噛み合わせの状態を診断・治療することは難しいのが実情です。咬合を調整するために安易に削って歯を小さくしたり、詰め物をして歯を大きくしたり、あるいは形を変えると、歯のダメージが大きく歯の寿命を縮める可能性があるからです。

また唯一の普遍的正解があるのではなく、顎の関節や歯、周囲筋肉の状態も影響するので、常に流動的。言い換えると、治療の早い段階で歯に直接手を加えるのは禁じ手とも言えます。

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