老け顔になる?「歯ぎしり」注意したい7つの点 歯ぎしりには3つのタイプ、最新の治療法も伝授

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通常、人は奥歯で噛み、その力は体重ほどと言われているので、男性では65kg、女性では50kg程度の力がかかります。奥歯は4本あるので、総力は男性260kg(65kg/本×4本)、女性200kg(50kg/本×4本)になります。

しかし歯ぎしり・食いしばりを続け噛む筋肉が鍛えられている人は噛む力が強くなって400kg以上になることも。つまり合計1トン以上(400kg/本×4本)の力が顎にかかっていることになります。

この破壊力はとても大きく、かつ体の中でもっとも硬く、水晶や石英の硬さに匹敵する歯さえも粉砕することがあります。最悪の場合、粉砕された歯を治療する手立てがないほどのダメージを受け、抜歯するしか方法がなくなることさえもあるのです。

実際に、患者さんを診ていて私が最も残念に思うことは、自分自身で歯ぎしり・食いしばりの自覚がなく、突然歯が粉砕してしまうパターンです。自覚がないので事前対応することができず、みすみす歯を失ってしまいます。

次の7つの項目には要注意

次の項目に思い当たる人は歯ぎしり・食いしばりが常習になっている可能性がありますから、歯科医院で相談してください。

①歯がすり減って歯の長さが短い
②気がつくと上下の歯を噛み合わせている
③下の歯の内側歯ぐきがコブのように盛り上がっている
④朝起きた時、顎や頬にハリやこわばりがある
⑤口角(唇の両脇)にシワができるようになった、あるいはシワが深くなった
⑥スリープパートナーから、1年に3回以上にわたる歯ぎしりの指摘を受けている
⑦去年の顔写真と比べ、下膨れの顔になっている

歯ぎしり・食いしばりはさまざまな悪影響を及ぼします。口の中では、前述したように歯を粉砕したり、歯をすり減らし、長さが短くなったりする原因になります。

歯が粉砕されないまでも、歯が欠けたりヒビが入ることも頻発。歯の長さが短くなると、顔の鼻から下の距離が短くなり、老けて見えます。また歯の根元への力がかかり続けることでその部分がくびれ、少し冷たい水を口に含んだだけで、過敏反応して歯がしみます(知覚過敏)。

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