放置された「古民家」が"宝の山"と言える納得理由 「もったいない」から生まれた循環型ビジネス

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北海道のニセコは2000年代から外国人観光客が増え、今やアジアでトップクラスのリゾート地となりました。ニセコにとって最大の資産は、パウダースノー。アジアにはニセコのような雪質のエリアが他にありません。

日本の古民家も、ニセコのパウダースノーのように、上手に魅力を引き出せば、たくさんの観光客を引き付けられることでしょう。

その古民家が今どんどん空き家になり、壊されていることを皆さんはご存じでしょうか?

古民家は有限で貴重な資産

ちなみに山翠舎では、古民家を「戦前(1945年まで)に建てられた民家」、古木を「戦前に建てられた民家から得られる木材」と定義しています。

戦争終結後の日本では、西洋建築学の影響下で建てられた家が急増しました。そうした建物の多くは、釘やボルトを使って組み立てられています。

また、使われる木材も輸入建材の割合が高まっていきました。こうした家から得られる木材は、まっすぐに製材された規格品ばかりで、しかも釘やボルトの跡がたくさん残っています。そのため、戦前の古民家から得られる古木に比べると非常に低い価値しかありません(古木の価値については後述します)。他の企業や機関では、築年数の長さで古民家かどうかを判断するところもあります。

次ページ深刻さを増す「放置古民家」問題
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