笑福亭笑瓶さんを襲った「大動脈解離」の正体 聞き慣れないが、誰にとっても他人事ではない
「ジョギングやウォーキングをしたいのだが、ひざが痛くて無理」
「長時間の運動は、体力がもたない」
こんな声をしょっちゅう聞きました。
「気軽に運動ができない、でも健康でいたい」
といった方々に少しでもハードルを下げるための方法として、私がご提案するのがストレッチです。
太い血管を「伸ばす」ことで予防
全身の筋肉の7割が集まっていると言われている、下半身のストレッチがおすすめです。
なかでも「前もも」と「ふくらはぎ」をメインにするとよいでしょう。前ももとふくらはぎは、体の中でも大きな筋肉と、さらに太い血管も通っています。
〇筋肉のポンプ的な作用を働かせ、血液の巡りを促す。
〇血管そのものをのばす。
それを効率的に行えるのが、この2つの部位です。
まず、前ももには、「大腿四頭筋」という大きな筋肉があります。そして、脚の付け根から、ひざの上を結ぶ部分には「大腿動脈」という太い血管が走ります。
つま先立ちをしたときにぐっと力が入るふくらはぎも、大きい筋肉。さらにふくらはぎは、筋肉のポンプ作用がよく働く部位であることも特徴です。
全身を巡った血液は、心臓に戻らなければならないのですが、重力の影響で下肢に溜まりやすいのです。溜まった血液を心臓へ押し戻すためには、ポンプ作用が必要ですが、それを得意とするのが、第二の心臓ともいわれるふくらはぎ。ここには、「後脛骨(こうけいこつ)動脈」という太い血管が走ります。
なぜ、血管をやわらかくするのに、ストレッチが効果的なのか。
それは、一酸化窒素「NO(エヌオー)」をはじめとした「血管拡張物質」をたくさん分泌させることができるからです。
血管の内膜にある「内皮細胞」はストレッチによって血流が増大し、その刺激を受けると、血管の拡張を促すNOなどを分泌し、血管内の筋肉「平滑筋」に〝緩む〟ように働きかけます。それに反応した平滑筋が緩むことで、血管が広がり、やわらかくもなる効果があるのです。
私はこうしたストレッチを「血管ストレッチ」と名付けており、大きな反響を呼びました。主に、冷え性対策として伝えられましたが、最も重要なことは動脈硬化の改善に寄与することです。
繰り返しになりますが、動脈硬化や高血圧を放置することで、あなたの健康に重大な支障が起きる恐れがあります。
できるだけ早い段階で、生活習慣の改善やストレッチなど、血管を柔らかくする対策を講じてください。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら