笑福亭笑瓶さんを襲った「大動脈解離」の正体 聞き慣れないが、誰にとっても他人事ではない

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このようにプラークができた状態の動脈硬化を「アテローム性動脈硬化」もしくは「粥状動脈硬化」というのですが、世間一般的に「動脈硬化」というと、この状態をイメージする場合もあります。ただ、これは血管が単に硬くなる「動脈硬化」がさらに進んだ状態。先に説明してきたように動脈硬化自体は誰でも起こりますが、できるだけ「アテローム性動脈硬化」へと進行させないことが大事なのです。

高血圧は「動脈硬化」と密接に関係

血管自体に痛みがないため、気づきづらい――。

それが、動脈硬化の特徴です。

ただ、全身の不調としていくつか現れる症状があります。なかでも、はっきりと変化するものがあるのです。それが、「血圧の値」です。

みなさんも、健康診断などで血圧を測る機会がありますよね。直近の血圧と、例えば5年前や10年前の血圧の数値を比べてみてください。高くなっていませんか?

ぐんと上がっている、あるいはわずかだけど高くなっている。その度合いには個人差がありますが、年齢とともに高くなります。

血圧と血管の硬さは、比例していると思ってください。

血圧が、ぐんと上がっていれば、それなりに血管の硬度も高くなっているということ。このように、血圧の数値は、血管の硬さのバロメーターなのです。

血圧が高くなると、当然、動悸、息切れ、むくみといった症状が誘発されます。その背景には、血管の硬さが潜んでいるのです。

ちなみに、健康診断以外で血管の硬さを測ろうと思ったら、比較的規模の大きな病院などでは、専用の測定機器で「血管年齢」を測ることもできます。

血流のスピードや身長に比例する血管の長さなどから、血管の硬化度を導き出すのですが、両手足に機械をつけ、5分程度で計測ができます。気軽に計測できますので、一度受診してみるのもいいでしょう。

動脈硬化の改善といえば、塩分を減らし野菜が多い食事を摂る、日々の生活に運動を取り入れる、なるべくストレスを減らす、酒やたばこを控えるといったことが知られています。もちろん、そうした心がけは大事なのですが、毎日続けるにはハードルが高く、続かない人が多いのも事実です。特に、高齢の方にとって、一定以上の強度のある運動は心身ともに負担が大きいものです。

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