ペットボトルに平気でごみを入れ捨てる人の盲点 タバコや注射針もリサイクルの現場で見た光景

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このペットボトルのリサイクルにおいて最近注目されているのが、「ボトルtoボトル 水平リサイクル」である。使用済みのペットボトルを再度ペットボトルに生まれ変わらせる技術だ。新たな化石由来原料(石油)を使用せずに、再度ペットボトルを作るリサイクル手法である。

飲料大手のサントリーでは、2011年にペットボトルのリサイクルに取り組み始め、翌2012年に国内清涼飲料業界で初めてリサイクル素材100%のペットボトルを導入(烏龍茶で実現)し、「ボトルtoボトル 水平リサイクル」を実用化した。現在では、サントリーの製品の約50%程度が、リサイクルのペットボトルで提供されている。

サントリーでは、2019年に策定した「プラスチック基本方針」において、2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルをリサイクル素材あるいは植物由来素材のみにし、化石由来原料(石油)の新規使用をゼロにするという目標を掲げている。また、清涼飲料の業界全体としては、2030年までに「ボトルtoボトル比率50%を目指す」と全国清涼飲料連合会が宣言している。

排出したペットボトルが再度生まれ変わる工程

排出されたペットボトルはどのように生まれ変わっていくのだろうか? 家庭から排出されても外出先で排出されてもペットボトルを再生原料へと加工処理する場合流れは変わらない。

まずは、プラスチックのキャップとラベルがついているので、それらを除去してペットのみにする。ペットボトルを高温のお湯で洗浄しながら大きなローラーにかけてラベルを取っていく。次に、ペットボトルとキャップ部分を小片に粉砕し、水の中に入れて比重分離を行う。

すると、キャップ部分のプラスチックは浮く一方でペットは沈み、これによりペットが取り出され、乾燥させると「フレーク」になる。このフレークを加熱溶融して品質を均一化すると粒状の「ペレット」が生成されてくる。

左から比重分離後、クリアーフレーク、クリアーペレット、プリフォーム(筆者撮影)

「ボトルtoボトル 水平リサイクル」を行う場合は、このペレットを基にペットボトルの卵となる「プリフォーム」を生成する。このプリフォームを金型にはめて熱風を入れて風船のように膨らませてペットボトルを作り出し、「ボトルtoボトル」による水平リサイクルが実現するのだ。

プリフォーム(筆者作成)
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