日本を次々襲う「災害」に挑むテクノロジーの挑戦 最先端技術を駆使し、瞬時に対応できる環境へ

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たとえば、センサーを組み込んだ自動車や信号機、ネットワークにつながるIoT水位計、街に設置された防犯カメラ、打ち上げが続く人工衛星などから得られた映像や位置データ、計測データは5G回線を通して瞬時にサーバに伝送されます。それをAIを使ってリアルタイム解析することで、価値があるアウトプットを出すことができるようになります。この仕組みを「サイバーフィジカルシステム」と言います。

このサイバーフィジカルシステムを導入することで、防災・危機管理はどのように変わるでしょうか?

災害・事故が発生する前の段階では、人的被害や建物・インフラの被害を事前に予測し、予防策の策定や避難計画の構築、BCP(事業継続計画)の策定などを効果的に行うことができるようになるでしょう。

そして災害・事故の発生時および復旧時には、被害状況をリアルタイムに把握することができます。刻々と変わり続ける現場の状況に応じて、シミュレーションを行うことで、ハザードマップも刻一刻と変化します。

サイバーフィジカルシステムの図(画像:筆者提供)

これにより、今後被害がどのように広がるのかといった、予測情報が手に入るようになるため、適切な避難指示の発信・誘導、効率的な救急・消防・警察の派遣、迅速な救助活動・救護活動を行うことができるようになるはずです。

雪による災害にどう対応するか

今冬には雪による災害が目立っています。冬に大陸から冷たい北西季節風が吹き、そこに相対的に温度の高い日本海から多くの水分が蒸気として乗っかり、日本列島の山々にぶつかって大量の雪雲が発生することから、日本海側を中心に豪雪地帯が広がっています。

企業活動や市民生活に最も影響を与えるのは、雪による大規模な立ち往生でしょう。幹線道路や高速道路で立ち往生が発生すると、物流はストップし、車の中に長時間閉じ込められてしまった人の命にも危険が及びます。

例えば、石川県や福井県等を走る北陸自動車道や新潟県などを走る関越自動車道などでは毎年のように立ち往生が発生しますが、発生してからの対応ではできることが限られます。

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