安河内:アメリカや世界へ進出するきっかけは?
Kaori:本場でスタンダップをやりたいという気持ちと失恋です。
安河内:失恋! そこ突っ込んでいいですか?
Kaori:アメリカに長くいた経験のある、とある日本人の俳優兼コメディアンとの失恋でした。彼は「英語のスタンダップを単独でやる日本人女性なんてどこ探してもいないんだから、絶対に続けろ」と励ましてくれた人でした。それと「東京だけでやっていても、スタンダップでスターにはなれない」とも言われました。彼がアメリカに帰ることになったのと、そのほか、女の直感もあって(笑)別れたんですが、向こうで活躍しているのを見て「こんちくしょう! 負けてたまるか!!」と闘志に火がついちゃって。まずは、スタンダップの本場のニューヨークに向かいました。
安河内:決心したからってすぐにステージには立てないですよね?
地下鉄内でゲリラライブを敢行!!
Kaori:ニューヨークで活動した経験のある先輩芸人に、現地の日本人コメディアンや、プロデューサーを紹介してもらったりはしました。ただ、ニューヨークはオープンマイクもたくさんやっているので、飛び込みで参加もたくさんしましたよ。
それから、地下鉄の中で乗客に向けてスタンダップコメディをゲリラ的に披露もしました。リサーチした結果、ブルックリンブリッジを通る線は3~4分と比較的長い間ドアが開かないので、その区間を集中的に往復してやりました。いや、緊張しました! 橋を渡っているときの列車内がすっごくうるさいんです。アメリカのコメディクラブにはマイクがあるので声を張り上げる必要ってまずないんですが、地下鉄では久々に大声張り上げましたね。
安河内:ハンパないライブ感だったでしょうね。車内の反応は?
Kaori:一見無関心のようで、何気にちゃんと見て、聞いてくれてました。チップもくれる人もけっこういましたし。
安河内:ゲリラ的にスタンダップを披露するっていうのは、アポなしで営業トークするようなもの。しかも、場所が地下鉄の車内ってハードルの高さは相当です。そんな過酷な状況で英語を話すときも、もう今はブレーキがかからないですか?
Kaori:かからなくなりましたね。もちろん、自分の苦手な部分はわかっているんです。ボキャプラリーは少ないですし。でも、自分の英語力を全部受け入れた上で、印象に残る一言を、タイミングを逃さずに言えるようになりました。
安河内:すごい! 純ジャパなのに英語での外国人とのトークで彼らのハートをつかんじゃうんですから! そんな話術をどう手に入れたのかぜひ教えてください。
Kaori:OK! Here we go!!
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