GMOペパボの永椎氏も、「イベントなどで作家に会う機会があるが、ママが非常に増えている。作品に関しても“赤ちゃんが引っ張っても大丈夫”といった“ママ目線”を生かしたものが多く、そのアイデアにはいつも驚かされる」と語る。ママならではの発想を生かしたモノづくりは、同じ立場の女性に響きやすい。ハンドメイド市場は、モノづくりに関する特技や経験を生かせる主婦に、活躍の場を提供しているのである。
ハンドメイド市場のサイトは一見どれも同じように見えるが、作家の性別やプロ(専門家)比率、平均価格帯、作品ジャンル、ユーザー属性が微妙に違い、それぞれ特色があるのがおもしろい。筆者が作家に取材していても、「『iichi』は職人っぽい作家さんが多いイメージ」「『minne』は若い人が多くて、手頃な作品を出しやすい」「『Creema』はクリエイターっぽい印象」「『tetote』は昔ながらの手芸品なども売りやすい」といった声が聞かれた。それぞれのサイト に“色”があるのは間違いないようだ。
今回は、登録作家数・作品数が国内トップとなった『minne』と、「プロ志向の作家を中心に支援していきたい」と独自路線を歩む『iichi』を紹介しよう。
テレビCMで攻勢、スマホアプリで先行
『minne』はレンタルサーバー事業がメインのGMOペパボが2012年1月に開始したサービスだ。サービスの開始時期はほかの3サイトに比べてもっとも後発だが、テレビCMなどの影響もあり現在では登録作家数、作品数ともにNO.1となっている。
「購入者の9割が女性、そして20~30代の比較的若い年代が多いので、テレビCMには女優の水川あさみさんを起用した。実際、女性向けの商材が多く、いちばんの売れ筋は手頃に買うことができるアクセサリー」(永椎氏)。
実際にサイトをみると、落ち着いた雰囲気のなかに女子がキュンとなる雑貨屋さんのような賑やかさが兼ね備えられており、購買意欲が掻き立てられる。
「PARCO」や「BEAMS」といった若い世代が好きなショップとのコラボイベントも展開している。
2012年1月にサービス開始後じわじわと登録者数を伸ばし、2014年3月に登録作家数がトップに、9月には作品数でも国内トップになった。さらに周知を徹底したいとCMを打つことを決めた。「インターネットだけでのプロモーションでは越えられない壁があるように感じていた」からだ。その狙いは的中し、作家の作品をちりばめたCMを放映開始した2015年2月にスマホアプリのダウンロード数が100万を突破。
「月間ダウンロード数は昨年12月に比べると2月は12倍くらい。かなり反響があった」という。
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