「セブンとイオン」意外と知らない稼ぎ方の差 似ているようで異なる2つの大手流通グループ

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例えば、ディスカウントストア大手ドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)や、ドラッグストアの成長株、コスモス薬品、クスリのアオキ、などの商品別の粗利構成をみてみるとわかりやすい。

「驚安の殿堂」と称するドン・キホーテは、広く世間からディスカウントの代名詞としての地位を確立しているが、その収益構造はイメージとは実はちょっと違う。

これは同社の商品別の粗利率を示したものだが、商品ジャンルごとに粗利率はかなり異なっていることがわかるだろう。頻繁に買いに来てくれる動機になる「食品」に関しては18%程度で、売上高販管費比率(平均の経費率)が21%以上かかるのだから、見た目だけで言えば、赤字とも言える出血サービスだ、ということになる。

しかし、事業である限りそんなはずはなく、別の商品ジャンルで稼いでいる。食品以外の商品では28~34%程度の粗利率を乗せているので、ついで買いしてもらえれば、トータルでは十分に儲かる構造だ。よく目に触れる商品で劇的に安いというイメージを確立したことにより、ドン・キホーテは高い集客力を発揮して、ついで買いの誘発にも成功しているのである。

食品で集客して化粧品・医薬品で稼ぐ

ドラッグストア業界においては、いわゆるフード&ドラッグと言われる食品強化型ドラッグストアが急成長し、シェアを急速に伸ばしている。代表格は、コスモス薬品、クスリのアオキという2社なのだが、これらの企業は食品の低価格販売によって消費者に来店してもらい、収益率の高い化粧品、医薬品をついでに買ってもらうスタイルが大成功している。

この業態でも食品の粗利率は、販管費率を下回っており、採算は度外視しても集客力につながるほうが勝ちという小売店舗の基本的原則を表しているといってもいいだろう。

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