維新・馬場代表「改革保守の再編は起こりうる」 日本維新の会・馬場代表が描く日本政治の未来

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塩田:自民党とは、維新は今、どういう姿勢と方針で対応していくお考えですか。

馬場:自民党とも立憲民主党とも是々非々です。1月17日、自民党の茂木敏充幹事長(元外相)はじめ、幹部の皆さんとも協議しました。自民党とは、エネルギー、憲法、安全保障について議論し、前に進めていくことで完全合意しています。

われわれが強く唱えているのは国会改革です。これはわが党のお家芸のようなもので、いろいろなことを言い続けていますが、自民党が本気になって覚悟を決めないとできません。1つはペーパーレス。もう1つは9つある特別委員会のスクラップ・アンド・ビルド。

1回も議論しないような特別委員会がある。自民党にすれば野党対策で、野党に委員長ポストを渡すために存続しているようなものです。わが党はスクラップ・アンド・ビルドが必要と5年ぐらい言い続けてきました。やっと今年の通常国会で1減となりましたが。

3つ目は常任委員長と特別委員長に対する手当の廃止ですね。国会開会中は1日6000円の手当が、土曜も日曜も付いています。それから懸案の文通費(現在は調査研究広報滞在費。2022年までは文書通信交通滞在費)の改革です。

政界再編はあくまで保守を前提に

塩田:立民との共闘では、国政選挙での選挙共闘まで視野に入れているのですか。

馬場:国会活動も一緒にやり、選挙も一緒にやるとなると、同じ政党ということになります。したがって、選挙協力は無理やと思いますね。

塩田:それでは野党各党がそれぞれ勢力を伸ばして、選挙の結果、政権を獲得できるという政治状況になったとき、連立政権樹立に進む「政権共闘」の構想はいかがですか。

馬場:それはケース・バイ・ケースです。ただ、わが党は大阪では単独で政権を取っていますから、中央政治での目標もあくまで単独政権ということですね。

塩田:自民党には、連立の組み手として現在の公明党よりも維新を、と望む人たちもいるようです。連立参加を企図して、自民党側から維新に秋波を送る動きはありませんか。

馬場:ないですね。自民党も内実は改革派の方と現状追認の方に分かれていると思いますが、われわれはエッジの立ったラジカルなことをやりますから、そんなやつらが来たらかなわんな、というのが自民党の中の大多数じゃないですか。

塩田:そうすると、将来、立民の内部で路線の違いによって遠心力が高まり、維新も含めた野党再編成の動きが現実となるという流れも想定できますか。

馬場:日本のためには、政党を問わず、改革マインドの強い政治家と、現状を守っていく現状追認派のグループが、どちらも保守という基盤の上に立った形で、相互に牽制し合いながら政治を動かしていく。この構図が理想的だと思いますね。

塩田:自民党も含めて保守を前提とする政界再編という展開も視界に入れているように映ります。それには自民党内で路線対立による2極化が現実となるのが必須条件と思われます。起爆剤は安全保障政策、防衛費の財源問題、憲法改正といったテーマですか。

馬場:今の政治のやり方ですね。改革なしに増税したり、借金でやっていくことには自ずと限界が来ます。それは許せないという怒りをいつ国民が持つか、まだわかりませんが、必ずそういうときが来る。そこが日本の大きな分岐点になると思います。

塩田 潮 ノンフィクション作家、ジャーナリスト

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しおた うしお / Ushio Shiota

1946年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
第1作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師―代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤』『岸信介』『金融崩壊―昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『安倍晋三の力量』『危機の政権』『新版 民主党の研究』『憲法政戦』『権力の握り方』『復活!自民党の謎』『東京は燃えたか―東京オリンピックと黄金の1960年代』『内閣総理大臣の日本経済』など多数。

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