「共産党」大揺れ、改革訴えた党員「除名」で待つ試練 党首公選制導入を否定、問われる志位長期体制の可否

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日本共産党
日本共産党が揺れています(写真:yu_photo/PIXTA)

創立101年目を迎えた共産党が大揺れとなっている。年明けに元幹部で現役の共産党員が公然と党首公選制の導入を求め、同党執行部が除名処分としたことが、他政党だけでなく、多くのメディアも含め、国民レベルでの厳しい批判を招いたからだ。

在位23年目となる志位和夫委員長(68)は批判拡大を受け、「集団指導によって民主的に党運営をやるのが一番合理的。あらゆる角度から見て、党首公選は道理がない」と居丈高に党首公選制導入を否定した。

ただ、党員数は約50万人だったピーク時からいまや30万人も割り込み、党勢退潮が際立っている。その中での党首公選制導入要求は、一般党員に広がる深刻な危機感を踏まえたものだけに、今回の志位氏ら指導部の硬直した対応には「悪いイメージを拡大させるだけ」(党幹部)との内部批判も相次ぐ。

現役の共産党員が「政策論争の可視化」主張

今回の反乱の“主役”は、現役の共産党員で、かつて党の安保外交部長を務めたジャーナリストの松竹伸幸氏(67)。年明けに刊行した自著『シン・日本共産党宣言』で、党首公選制の導入を求めた。さらに松竹氏は1月19日に記者会見を開き、22年以上も委員長を続ける志位氏の“独裁体制”について「国民の常識からかけ離れている」と真っ向から批判した。

松竹氏は会見で「共産の内部に入れば、考え方の違いがぶつかり合う場面はたくさんあるし、見せたほうがいい」と党内の政策論争の可視化を主張。「(党首公選制導入で)議論が表面化し、国民に共産党が近い存在になる」と指摘した。

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