「共産党」大揺れ、改革訴えた党員「除名」で待つ試練 党首公選制導入を否定、問われる志位長期体制の可否

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これに対し、共産党は1月21日付の機関紙・しんぶん赤旗に「規約と綱領からの逸脱は明らか」などとする編集局次長名の論説を掲載。その中で「党内で意見を述べることを一切せず、外からいきなり攻撃することは、党の規約を踏み破るもの」などと批判。党首公選制導入を「派閥・分派をつくることを奨励することになる」と否定した。

その一方で、1月23日に記者団の取材を受けた志位氏は「論点はそこ(赤旗)に示したとおり」とその時点では自ら説明することを避けた。ただ、騒ぎが大きくなった半月後の2月9日の記者会見では、松竹氏の除名処分を「妥当な対応だ。政治的な警告もしたが、反省をしないので除名以外ないという判断をした」と言明。併せて社説で共産党の対応を批判した朝日新聞に対しても「朝日に指図されるいわれはない」などと口を尖らせた。

もともと、共産党は「民主集中制を組織の原則とする」と規約(日本共産党規約第3条)で定めており、2年または3年の間に1回開く党大会において選出された中央委員会が委員長を選ぶのが党内ルールだ。

当初は慎重対応の姿勢だったが…

党指導部は当初、党内外の世論も視野に慎重対応の姿勢だった。

「いきなり松竹氏を処分すれば、『野党共闘』などで共産の主張に共感してくれた支持層が離れ、一般国民の共産党への恐怖、嫌悪感を拡大させる」(若手幹部)ことへの懸念からだ。

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