「5キロ2000円」の政府備蓄米に消費者は本当に飛び付くのか、ソッポ向かれても人気化して買いだめされてもコメ価格は高止まりしかねない

1年前、コメの価格が一気に2倍近くにまで高騰すると予想できた人はいなかっただろう。
2025年5月時点でコメの小売価格は5キロあたり4000円を超えている。下記は60キログラムあたりの年産平均価格だが、2024(令和6)年産のコメは跳ねがっていることがわかる。

価格高騰の引き金となったのは、昨夏の記録的猛暑だ。高温障害によるコメの減収に加え、増加した訪日観光客の外食需要が在庫を吸い上げたこともあり需給が逼迫。家庭向けのコメは完全な奪い合いになった。
3月の 備蓄米放出はなぜ効果ナシだったのか
政府は打開策として、今年3月に政府備蓄米21万トンをオークション形式で市場に放出した。ところが高値を付けた集荷業者が大半を買い取り、卸売業者を経て精米されたコメが小売に届いた量は全体のわずか7%だった。
これではとても店頭価格は下がらない。「国が安く仕入れた備蓄米を高く転売し、差益を得ているだけではないか」。消費者だけでなく与党内からも批判が噴出し、オークションによる販売で差益を出した政府には冷たい目線が投げかけられた。
そこで政府は、備蓄米の放出方法に関して大転換を決断した。
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