「5キロ2000円」の政府備蓄米に消費者は本当に飛び付くのか、ソッポ向かれても人気化して買いだめされてもコメ価格は高止まりしかねない

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今回の矢継ぎ早の随意契約による市場放出は、一にも二にも価格を落ち着かせることが目的。が、今後の備蓄米のあり方を変えていくことになるかもしれない。

農水省内では今回の知見や、過去の数字を用いた上で、AIによる需要予測と在庫管理を組み合わせ、気候変動や地政学リスクに即応する次世代備蓄米システムを描く声も出始めているという。

売れ残るリスクもある

30万トンの放出は民間在庫の15%に相当する。これだけの量が一挙に消費者市場へ動くことで、一般流通の新米も下がっていくかどうかが6月以降の焦点になる。

今回売り出されるのは2022年産、2021年産の古いコメだ。新米を好む消費者はソッポを向くだろう。そんな消費者が多ければ、売れ残るリスクもある。そうなると一般流通米(2024年産米)の需給はタイトな状態が続き、高止まりだ。逆に”人気化”して必要量以上に買いだめする消費者が多いと、瞬時に蒸発。この場合にも一般流通米の価格は高止まりする。

再び価格が上昇するようなことがあれば、小泉農相は「残る30万トンも放出する」と公言している。すべてのカードを切ってでも価格を落ち着かせる覚悟だが、果たしてどうなるか。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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