「共産党」大揺れ、改革訴えた党員「除名」で待つ試練 党首公選制導入を否定、問われる志位長期体制の可否
こうした主張の一方、志位氏は委員長就任時から「民主連合政府」を唱える中で、共産党の政権入りを模索。周辺によると、「『党名変更』も検討し、『政権入りが実現した際には外相就任を希望する』などと語っていた」とされる。
志位氏は、岸田文雄首相が2021年10月の就任直後に断行した衆院解散・総選挙の際、立憲民主、共産、社民、れいわ新選組の野党4党と「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」との政策合意に調印。それを踏まえ、野党統一候補擁立のため多くの選挙区での候補者取り下げを決断した。
これについて「自公に代わる野党政権の樹立と参画への意欲の表れ」(党関係者)と受け止める向きが多かったが、野党第1党として政権交代を目指す枝野幸男立憲民主代表(当時)は、志位氏の求める「政権協力」について「(共産党を含めた)連立政権は考えていない」と強調していた。
厳しさを増す共産党への視線
その枝野氏は衆院選敗北を受けて代表を辞任し、後任の泉健太代表は「立憲民主内の右派」だけに、さらに共産への視線は厳しさを増す。しかも、ロシアのウクライナ侵攻を契機に、野党内でも防衛費増強容認論が台頭しており、党綱領で日米安保条約の「廃棄」を掲げる共産党は「ますます孤立化する」(立憲民主幹部)のが実態とみられている。
他の野党党首が国政選挙での敗北や伸び悩みを理由に交代を余儀なくされる中、志位氏だけが長期間、委員長に在任し続けることが、国民の共産党への違和感や嫌悪感拡大につながっていることは否定できそうもない。それだけに、今回の内乱によって「“志位独裁体制”存続の可否が厳しく問われる」(共産党関係者)ことは間違いなさそうだ。
【2023年4月14日9時00分追記:初出時から表現を一部修正しました】
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら