異動に納得できる?「人事ガチャ」のハズレの確率 納得する人・そうでない人の割合を数字で見る

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下図を見てください。会社主導の人事異動経験者のうち「異動をポジティブに受け取っている人」は7割です。もう少し詳しく見てみると、「納得してポジティブに受け取っている人」が6割強、「納得していないがポジティブに受け取っている人」が1割弱です(外部配信先ではランキングやグラフ・図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

(本書より抜粋)

さらに、「ネガティブに受け取っているが納得している人」を加えると74.5%になります。つまり、会社主導の人事異動であっても、4分の3の確率で、ポジティブに受け止めたり納得したりしているという結果です。

裏返せば、「納得できずネガティブに捉えている」人が25.4%ですから、決して少ない数とは言えません。社員側から見た「人事ガチャ」のハズレ確率は4分の1だということです。

異動は交渉の余地もある

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最近ではエンゲージメント(仕事と組織に対する貢献意欲)やキャリア自律を重視する会社が増えており、異動についても対話を通じて理解・納得を得ようとするのが一般的なやり方です。とくに昨今の人事部はたいてい、「若い人の声を真摯に聴くべし」というスタンスです。

もちろん結果として皆さんの希望が通るかどうかは保証の限りではありませんが、少なくとも交渉の余地はありそうです。

ネガティブに捉えざるを得ない異動を提示された場合は、十分な説明を求め、自分のキャリアプランをもとに交渉しましょう。そのためにも、日頃から自分のキャリアについてしっかりと考えておくことが欠かせません。

いざという時のために、誰が異動案を作っているのか、どんな考え方やプロセスで異動が決まっていくのかも、把握しておきましょう。

藤井 薫 パーソル総合研究所シンクタンク本部 上席主任研究員

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ふじい かおる / Kaoru Fujii

パーソル総合研究所シンクタンク本部 上席主任研究員。電機メーカーの人事部・経営企画部を経て、総合コンサルティングファームにて20年にわたり人事制度改革を中心としたコンサルティングに従事。その後、タレントマネジメントシステム開発ベンダーに転じ、取締役としてタレントマネジメントシステム事業を統括するとともに傘下のコンサルティング会社の代表を務める。 2017年8月パーソル総合研究所に入社、タレントマネジメント事業本部を経て20年4月より現職。タレントマネジメントを中心とした調査研究を担当。人事専門誌などへの寄稿も多数。

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