あの新人に「イタい男」と敬遠されないために 「消せるボールペン型」への適切な熱の入れ方
もしも会社内でおさめようとしても、匿名性のあるネットで情報拡散される可能性も否定できません。さらに「ブラック企業」「ブラックバイト」という言葉には即座に反応、ネットであっという間に拡散してしまう時代に就職活動をした彼ら。時間に関する価値観がずいぶんと私たちとは異なってきているように見えます。これまでは、安定した終身雇用と年功序列賃金を前提とするからこそ、長時間労働や一方的な転勤命令等が受け入れられた(仕方ないと思っていた)わけですが、彼らには通用しないと思った方がよいと思います。
理想の上司第1位は池上彰さん
今年の新人の特性をつかむために参考にしたいデータはまだあります。明治安田生命保険が今春の新入社員にきいた理想のランキング(1159人調査)では、男性1位が池上彰さん、女性1位は天海祐希さんになったとのこと。
男性の2位は、スポーツキャスターの松岡修造さんが昨年10位から2位に順位を上げています。池上さんは「指導力」があること、天海さんは「頼もしい」点が評価されたとのことでした。
池上さんは、みなさんご存知の通り、わかりやすく丁寧な解説がとても印象的です。それに加え、誰に対しても、ジャーナリストとしていうべきことはいう、という姿勢が一貫しています。決して声を荒らげたり、その地位を利用して相手に物を言ったりすることはせず、ソフトな口調で、でも、いうべきことは言う。そのために丁寧に相手に質問をなげかける様子は、部下から尊敬され、「この人ならついていきたい」と思えるものではないでしょうか。
また、2位の松岡修造さんは、失礼ながら「暑苦しい」キャラで通っていたのですが、昨今は大分見方が違ってきているように思います。発行部数が70万部を突破したという彼の日めくりカレンダーを、筆者も購入してみました。毎日仕事や育児に追われ、ふと疲れたり弱気になったりしたとき、そっと背中を押してくれるような言葉がたくさん載っていて、前向きになることができるのです。
最近大活躍の錦織圭選手へのリスペクトも非常に好感が持てます。一昔前なら、年下の若い選手が海外で人生の半分以上を過ごして優勝、ともなれば、上から何を言われるかわかったものではありませんでした。しかし、彼は錦織選手の試合ごとによかったところ、よくなかったところをスポーツキャスターとして指摘し、つねに心から応援している姿勢を崩しません。役割や年齢、立場で影響力を行使しようとするのではないその姿勢が、多くの若い人を引き付けるのではないでしょうか。
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