ただし、見た目や態度が大人っぽくなっても、子どもたちは親のサポートやつながりを求めています。また、大人が聞きたいと思っていることと、子どもが話したいと思っていることが一致するとは限りません。
子どもが話そうとしてくれることは、本人が今いる世界への招待状を送ってくれたということです。「あれもこれも知りたい」という大人のニーズをいったん横に置いて、子どもがシェアしてくれる世界をありのままに楽しみ、心のつながりを深めていきたいものです。
答えを求めている?聞いてもらいたいだけ?
小学3年生の娘の話を聞いていると、なにか悩んでいるようだけど、具体的な答えを求めているの? それとも、ただ話を聞いてもらいたいだけなの?と、わからないことがあります。積極的にアドバイスをしてもよいのでしょうか?
相手が求めていないのに勝手にアドバイスをすることは敬遠されがちです。一方で、相手が意見を求めている時にアドバイスすると、感謝されることはもちろんあります。話し手が考えてもいなかった可能性を示唆したり、聴き手の経験からアドバイスをしたり、新しい風を吹かせるために役に立つこともあるでしょう。
3000人以上を対象にした調査によると[*7]、良いリスナーになる条件のひとつとして、適度なアドバイスをすることが挙げられています。
ただし、相手の話を受容し、理解しようとする姿勢をまったく見せずに、いきなりアドバイスをしたり、解決策を提案したりすることは、アクティブリスニングの3つのレベルを無視することになるので、控えましょう。
アクティブリスニングをせずに心理的安全な環境がない状態だと、「そうする代わりに、〇〇した方がいいんじゃない?」「自分の時は、〇〇したらうまくいった」など、別の方法を単に提案していたとしても、話し手にとっては批判や否定と受け取られる可能性もあります。話を心から聴いてくれていない人のアドバイスは、なかなか受け入れられないものです。
最初からアドバイスをすることはせずに、まずは子どもの話に耳を傾けてみましょう。聴き手の「コントロールしたい(こうしてほしい)」あるいは「助けてあげたい(こうした方がよい)」というニーズを横に置くことで、本人に考える余白を与えることは大切なことです。
話を聴いた上で、「提案があるのだけど、シェアしてもいいかな?」「同じような経験をしたことがあるんだけど、私がその時にどうしたか話してもいいかな?」「アドバイスがほしい? それともただ聴いてほしい?」など、アドバイスをする前に子どもに許可を得るのがおすすめです。
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