子への相槌「すごいね」「へえ」がNGな納得の理由 おざなりリスナーが顔を出すのは仕方ないが…

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もちろん会話の中で、子どもがアドバイスを求めている時もあるでしょう。そんな時は、子どもが言った言葉の後ですぐに助言をするのではなく、まずは子どもの話を聴いて、本人の想いを受けとめた上で、あなたの考えもシェアしてみてください。

「私が思っていること、提案してもいいかな?」

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「私が思っていること、提案してもいいかな?」と子どもの許可を得るのも大切なことです。求められていない助言をして勝手に解決しようとすることは、子どもに対して「あなたは自分ひとりではできない」というメッセージを無意識に送っているだけでなく、子どもが自分で考える機会を奪っていることでもあります。

アクティブリスニングの原点は、聴き手が自分のニーズをいったん横に置くことです。

「あなたのために言っている」という名のもと、不要なアドバイスをすることは、本当に子どものためなのか、それとも自分の権力欲を満たしたいだけなのか、自分自身にたずねてみる必要があるでしょう。

[例]
子ども:「〇〇ちゃんがおもちゃ貸してくれない」
親:「ちゃんと貸してって言った?」
子ども:「言ったけど、ダメって言われた」
親:「声小さくて聞こえなかったかもよ。大きな声でもう一回聞いたらどう?」
Lesson
最初の一言目から、まるで子どもに落ち度があるかのような前提で進んでいるほか、その子がどういう気持ちになったのかということに触れていません。すぐに提案することで、状況解決をしようという意欲はあるものの、子ども自身がどうしたいのかという意思確認が置き去りにされています。子どもの年齢にもよりますが、「あなたはどう感じた?」「あなたはどうしたい?」と質問をしながら、本人の気持ちに寄り添うことを忘れないようにしたいものです。
文中の出所[*]一覧
(表:『アクティブリスニングでかなえる最高の子育て』)
島村 華子 モンテッソーリ教育とレッジョ・エミリア教育研究者

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しまむら はなこ / Hanako Shimamura

上智大学卒業後、カナダのバンクーバーに渡りモンテッソーリ国際協会(AMI)の教員資格免許を取得。カナダのモンテッソーリ幼稚園での教員生活を経て、英国オックスフォード大学にて児童発達学修士号、教育学博士号を取得。現在はカナダの大学にて幼児教育の教員養成にかかわる。専門分野は動機理論、実行機能、社会性と情動の学習、幼児教育の質評価、モンテッソーリ教育、レッジョ・エミリア教育法。

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