たとえば、2008年に国民生活センターが「高カカオをうたったチョコレート」についての報告を行い、「さまざまな注意」を喚起しています。
以下、簡単に報告の内容をまとめてみましょう。
まず「脂質」の問題です。チョコレートは、そもそも脂質が高い食品です。
報告書では「高カカオチョコレートはさらに1.2倍から1.5倍もの脂質を含むものもあり、食べる量に注意する必要がある」としています。
「高カカオチョコレートをもし 50gを摂取したとすると(テストした銘柄の1パッケージ当たりは 45~117g)、脂質を20.4~26.8gとることとなり、100g摂取したとすると、ほとんどの銘柄がそれだけで30~49歳女性の総脂質の1日当たりの摂取目標量をとってしまうことになる」というのです。
その人の活動量によって違いますが、1日当たりの摂取量は、30~49歳の場合は45.6~68.3gとされています(厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)より)。
50gで1日の半分、100gで1日分の脂質をとってしまうというのです。
「日本人の体を壊す『隠れ油とりすぎ』の深刻問題」などでも再三述べてきたように、日本人の「脂質のとりすぎ傾向」を私は大変憂慮しています。
チョコレートの場合、商品によっては、100g当たり40~50gなど、非常に脂質が高いのです。50gだったら、半分は「油」ということになります。
これは深刻かつ重大な「盲点」だと思います。
「チョコ="油"を食べている」と思う人はあまりいない
ところが、チョコレートの表示を見ると、「個別包装1個当たり」「1枚当たり」「1箱当たり」などバラバラでわかりづらいのです。
「個別包装の1個(5g)当たり脂質2g」などと書かれていると、「脂質は少ししか入ってないんだな」と思ってしまいがちです。
そもそも、チョコレートを食べるときに「油を食べているな」と思って食べる人はあまりいないのではないでしょうか。
いくら「カカオポリフェノール」にダイエット効果があるといっても、同時に脂質を大量に摂取したのでは、どこまでその効果が期待できるのか、私には甚だ疑問です。
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