大学の学校法人は補助金をどの程度得ているのか?
私立大学の収入の中心は、学生が支払う授業料だが、国や自治体からの得る「補助金」は大学経営の命綱だ。
東洋経済が集計した665学校法人の経常費等補助金(主に教育活動に使われる補助金)の総額は約9116億円。一方の損益状況を表す経常収支差額の総額は4695億円となっており、補助金がなければ私立大学全体が「赤字決算」となる。
経常費等補助金でランキング
では、その補助金を各大学(学校法人)がどの程度得ているのか? 東洋経済では、各大学法人の財務状況をまとめた「私立大学財政データ」を作成している。その2021年度(2022年3月期)のデータを使って、「補助金が多い私立大学法人ランキング」を作成した。その額と、総収入に対する割合などを見ながら、大学における補助金の重要度を見ていきたい。
大学の決算で損益について報告しているのが、「事業活動収支計算書」だ。その中で補助金は、教育活動収入に計上される「経常費等補助金」と、特別収入に計上される「施設設備補助金」とに分類される。施設設備補助金は、校舎建設にともなう利子補給など、施設設備拡充が目的であることが明確な場合に計上されるが、それ以外は経常費等補助金に計上される。基本的に補助金の大半は経常費等補助金で、今回のランキングもその数字を使って算出している。
補助金は、国から支出される場合と、地方自治体から交付される場合とに分かれる。さらに国からの補助金の場合、主に私立学校の助成や福利厚生を図る日本私立学校振興・共済事業団を経由して交付される。そして教員数や学生数を基に算出される「一般補助金」と、大学の教育充実化や先進的な取り組みに対し交付される「特別補助金」に分かれる。
なお、この経常費等補助金は、学校法人ベースの数字のため、傘下の小・中・高校、幼稚園などに交付される補助金も含まれている。
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