3000億円規模の基金を創設し、成長分野の学部転換を支援。

政府は10年後に学部生の半分以上を理系学生にすることを目標に掲げた (写真:cba/PIXTA)
少子化が進み大学の募集停止が相次ぐなか、政府は理系強化の方針を打ち出す。ターニングポイントを迎える中、大学側はどう対応すのか、そして実力を発揮する「本当に強い大学」はどこか? 「週刊東洋経済」では臨時増刊『本当に強い大学2023』を発売(アマゾンでの購入はこちらから)。今の大学がわかる受験生・親世代必読の1冊だ。その誌面から「理系大学の設置支援制度」に関する記事をお届けする。
「35%にとどまる自然科学(理系)分野の学部生割合を5割程度にすることを目指す」。
2022年5月、大学をはじめとする高等教育段階での人材育成などについて議論する政府の「教育未来創造会議」の席上で、岸田文雄首相はそう明言した。2032年までの数値目標だが、実現すればOECD加盟国では最高水準となる。
その目標を実現させるために今年からスタートした文部科学省の大学支援策が、「大学・高専機能強化支援事業」だ(下図)。
これは、大学がデジタルやグリーンをはじめとする成長分野への学部転換などに、費用の一部を助成する制度。昨年12月に成立した2022年度第2次補正予算で3002億円を確保して基金を創設し、長期にわたる支援を行っていく。
最大20億円を助成
私立大学と公立大学が学部・学科を再編して、理・工・農学分野に関連する成長分野の学部を設置する際の支援(支援1)には、最大20億円程度、高専を含む大学が、デジタル分野の高度な専門人材を育成する学科やコースを設置・増員する際の支援(支援2)に最大10億円程度の助成を行う。
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