総資産が多い大学の特徴とは?
私立大学が都市部にキャンパスを新設、移転する動きが相次いでいる。
2022年10月、東北学院大学は仙台駅近くに五橋キャンパスを新設した。郊外にある泉区のキャンパスと多賀城市のキャンパスを新キャンパスに集約し、2023年4月から新キャンパスで授業を開始する。
中央大学は、東京都文京区の地下鉄茗荷谷駅の近くに、茗荷谷キャンパスを2023年4月に開設する。それまで多摩キャンパスで学んでいた法学部1~4年生全員が、同キャンパスに移転することになる。
また、神奈川大学は2021年にみなとみらいキャンパスを、関東学院大学も2022年に横浜・関内キャンパスを新設するなど、よりアクセスのいい立地にキャンパスを設立する動きが目立つ。
その理由は、好アクセスが志願者数増加につながるから。相場より高い金額で条件のよい土地を購入する大学も少なくない。
学ぶ場であるキャンパスに多額の投資
私立大学がキャンパスに多額の資金を投じていることは、各大学の貸借対照表からもうかがえる。私立大学の総資産に占める有形固定資産の割合は平均6割程度で、そのほとんどは土地や建物で構成されている。では、大学の資産はどの程度の規模になっているのだろうか。
東洋経済では、各大学法人の財務状況をまとめた「私立大学財政データ」を作成している。その2021年度のデータから「私立大学総資産ランキング」をつくった。総資産に加え、前期比の総資産増減率、企業の売上高に相当する「事業活動収入」も合わせて記載した。ランキングを見ながら、大学の資産規模や特徴を見ていきたい。
ランキング対象の学校法人は、財務状況を確認できる665法人で、短大や大学院大学を運営している学校法人も含まれる。国公立大学は会計基準が異なるため、このランキングの対象にはしていない。また決算期は2021年度(2022年3月期)のものとなっている。
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