中には「米国での夫の職場は子持ちなし・独身中心で深夜まで休日出勤当たり前」という人もいましたが、「結果に対してはシビアだが、家族を優先することに対しては理解がある」というのが多くの職場の状況のようです。
2007年卒、日本企業から留学の機会を得て、夫が転勤してお子さん含めて家族でニューヨークに住んでいるDさんからは次のような証言。
<仕事と両立しやすいものの、成果を出し続けなければならない>
育児と仕事のバランスをとる、という意味では、日本より圧倒的に快適だと思います。男女問わず、家族優先が当然。夫は米国の中でもかなりお堅い会社に勤めていますが、それでも、娘のお迎えがあるからといって5時半退社を普通にしてくれていますし、それがすごく変なことというようには映っていないようです。
わたしの勤めている法律事務所も、かなりコンサバな事務所ですが、Family matterだと言えば、オフィスにいなくても問題はない。その代わり、Work from homeも当然で、成果を出し続けなければならない、という厳しさはあると思います。
格差を前提、預けられずに辞める人も……
でも、こんな働き方をしながら高額の保育料を払えるのはやはり一部の層なのか、東大ママたちの中にも、高額の保育料に苦しむ家族も。
米国人の夫と国際結婚をして、1歳のお子さんとボストンに住みながら遠隔で日本とのやりとりをしながら仕事をしているという2007年卒のEさんは、次のように話しています。
<保育園のお金が出せず、仕事を辞める友達が多い>
米国は保育園が高すぎて、わが家計では預けることはできずじまいです。夫の仕事の関係で補助が出て、週6~10時間くらいまでなら預けられるのですが、それではかなりきついです。今後2人目を作ったら、どうするのだろうと答えが見えません。
保育園のお金を出せないからと、仕事を辞める友達は多いです。給与は全部保育園代に出してキャリアをつなぐという選択をしている友だちもいます。
また、日本ほどではないにせよ、案外、米国は子育ては女性がやるものという空気はまだまだあると思います。よっぽどインテリで収入があるわけじゃなければ、男性ではなく女性がパートタイムや仕事をやめる選択をする気がします。
2000年卒の研究者で、夫の留学に合わせて渡米後、現地で出産しカリフォルニア州に住んでいるFさんもジレンマを感じています。
<働くと家計が赤字になるジレンマ>
ポスドク(博士研究員)の年収は決して恵まれていないので、私が働くと大赤字になってしまうというジレンマが立ちはだかっています。わが家は私が専業主婦である旨のサインをし、低所得者扱いで600ドルほど安く治安のいいコンドミニアムの一角を借り、子どもを公立のプリスクールに入れました。
それでも貯金を切り崩す生活が続いています。中国人の家庭だと祖国から親族を観光ビザでナニー代わりに入れ替わり立ち代り呼び寄せたりするらしいです。そのほうがはるかに安いのだとか。
冒頭のAさんも次のように話しています。「育休世代のジレンマ」的な現象は、米国にもあるんですね……。
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