東大生の親が「無気力な息子」にかけた意外な言葉 「卵割る?」「無限プチプチ潰す?」の深い意味
まずは東大生の親御さんの対応からご紹介します。
基準を設けて自由を与え、行動をうながす
僕が話をうかがった中でいちばん多かった工夫が、「とても明確な基準を設ける」というものでした。
どういうことかというと、「1時間勉強したら1ポイント」「プリントを終わらせたら2ポイント」というように、ポイント制でゲームをつくって、「10ポイント使ったら2時間ゲームしていいよ」「15ポイントで1000円分のお小遣いをあげるよ」というようにするのです。
ある東大生が小学生だったときの実例は、こんな感じでした。
・宿題を食事の前に終わらせたらボーナス2ポイント
・テストで目標の点数(70点など)に到達したら、到達できた科目1科目につき3ポイント
・5ポイント使って1時間ゲームしてOK
・10ポイント使ってお小遣い1000円分
このように、かなり明確なルールをつくっていました。テストもゲーム感覚にさせるわけですね。
紙に書いてポイントをカウントしている家庭もあれば、(これは東大生の親御さんではないのですが)牛乳パックでポイントのカードをつくって、それを集める形にしていたご家庭もありました。
これは、一見「ご褒美で釣って勉強をやらせている」だけに見えるのですが、実は深い意味があります。子どもが「自分で考えて時間を使う」契機になるのです。
たとえばポイントが貯まったらすぐ使ってしまう子もいれば、ポイントを貯めてどこかで一気に使う子もいるでしょう。その自由さ加減が、子どもにとってはとても楽しいものになるわけです。
なぜ無気力でやる気がないかというと、「やる意味が見えなくなってしまうから」だと思います。「これをやったところで、なんの意味もないんじゃないか」と思うと、無気力になってしまうものです。
ですから、このゲームのように行動をポイントで換算し、しかもそのポイントの使い方は自分で選べるようにすることで、その行動が自分のプラスに働くように誘導してみるのです。こうすれば、多くの人が「こんなことをやってみよう」という気持ちになるはずです。
さて、このゲームを続けていると、お子さんのほうからルールの改定を頼まれる場合があるのだとか。
「100ポイントで、ゲームを買って!」「今度のテストで満点だったら、20ポイントちょうだい!」
そんなふうに、自分から自分の行動に意味を設けようとし始めると、自然と自分でも行動の意味をつくることができるようになる場合があるのです。
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