ホンダ「ヴェゼル」群雄割拠のSUV市場で際立つ訳 内外装のデザインや扱いやすさが時代にマッチ

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e:HEVとリアルタイムAWD
ヴェゼルに搭載されているe:HEVとリアルタイムAWDのシャーシイメージ図(写真:本田技研工業)

販売現場の動向をホンダ広報に確認すると、販売比率においてe:HEVが85%と相変わらずHV(ハイブリッド車)人気の高さが際立つ。そのなかで売れ筋は、高価格帯となるZグレードで、HVの静粛性など上質な室内環境が、装備などにおいても上級志向を受けているのではないかと推測される。

顧客層は、20~30代の独身層と、50代以上で子育てが落ち着いた人たちに大きく二分されるという。男女比は、7割が男性とのことだが、車検証への登録は男性名であっても、伴侶のある家庭では女性の声も大きいのではないか。その点においても、顧客の評判としてやはり「あまり見たことのない、洗練されたデザイン」という声がもっとも多く、その造形に対して、魅力的に感じる女性も多いように感じる。

EVを意識した先進的なデザイン

ヴェゼルe:HEV PLaY
ヴェゼルe:HEV PLaYのスタイリング(写真:本田技研工業)

クルマが電動化していくなかで、ことに電気自動車(EV)は、エンジン車ほど大きな冷却用ラジエターを必要とせず、その影響は外観の造形にもおよぶ。象徴的なのがグリルレスのデザインを採用する、アメリカのテスラ各車だろう。ヴェゼルには、エンジン車の設定もあり、またHVでもエンジンを搭載するため冷却は必要で、ラジエターグリルを持つが、そこを車体外装色と同じとすることにより、グリルレス風の持ち味が生まれ、ほかのHVやエンジン車との差別化にもつながっている。実際、通り抜けるヴェゼルは遠くからでも目立ち、存在感がある。

また外観では、側面や後方の視界をより改善するため、客室の窓枠が水平に保たれ、それが簡素で違和感のない親しみある造形になっている。嫌味がないという言い方になると、存在感を失いがちになるかもしれないが、グリルレス風の顔つきがそれを補い、ヴェゼルを選ぶ意味を高めていそうだ。

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