中高一貫校で失速せずに東大を目指す過ごし方 高得点は必要なく、コツコツやれば入りやすい

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中だるみによる失速を避けるためには、「宿題だけはきちんとやり、定期テストをそこそこ勉強して受けるようにすれば大学受験で巻き返すチャンスは十分にある」という。

「中高一貫校で成績が振るわず落ち込んでいく子を『深海魚』と呼ぶそうです。しかし進学校で深海魚だったとしても、レベルが高い中での話なので公立のトップクラスくらいの学力はあります。親は学校内の成績だけを気にせず、全国的な視野を持ってどんと構えましょう。少しくらい深海魚になってもリカバリーできるのが中高一貫の良いところです。ただ、読解力がないと国語だけではなく数学の問題を理解するスピードなど全てが遅くなってしまうので、読書だけは沢山してほしいと思います」

また、中だるみする子によく見られるのが「中学入学を機にスマホを渡したら夢中になってしまった」ケースだ。長谷川さんは「ルールを定めて厳守させることが大切」として、次の7つのルールを挙げる。

①夜10時以降はスマホ使用禁止。自室に持ち込まずに親に預けるか、リビングなど家族の目が行き届く場所に置く

②スマホゲームはやらない(無料のものも)

③SNSは本名、学校名、所在地を明かさない

④親が求めた時は見せる。またその約束をお互いに確認しておく

⑤定期テスト1週間前から、終わるまで触らない

⑥成績が「下位2割」「50点以下が3科目以上」など、事前に定めた具体的な基準を下回ったら即没収

⑦高校3年生になったらSNSのアカウントは凍結する

特に女子の場合はSNS上で知らない男性と知り合ってトラブルになってしまったケースを実際に複数見聞きしています。これらのルールを監督できないなら親御さん自身が甘いのだと思っていただきたいです」

とりあえず東大を目指せ

中高一貫校に入学したメリットを最大限に生かすために、自身も東大卒である長谷川さんは「とりあえず東大を目指す」ことを勧める。

「東大に受かるための勉強計画がもっとも力を伸ばす戦略となるからです。国公立大学のトップですから、国が用意した教育内容の『最大公約数』だといえます。東大入試に対応できる勉強をすれば他の難関大学にも対応できます」

最難関というイメージが先行し、東大受験を敬遠する子は多い。しかし長谷川さんは「意外に入りやすい大学」だという。

「標準問題しか出ないので『みんな目指しちゃえばいいのに』と思います。入試で満点を取る必要はありません。例えば僕が受験した学部は2次試験440点満点中220点取れば合格できたので気楽でした。私立の医学部だと高得点を取らなければいけないところもあったりとプレッシャーが非常に強いと思います。東大入試は受験科目が多いので、その中で得意科目を伸ばすことができれば、仮に苦手科目が0点でも合格できる可能性があります。僕は生物が大好きだったので、その得点で勝負ができました。オールラウンダー型でも、特化型でも勝負ができる柔軟性が高い入試だと思います」

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