NECレノボ、新体制移行で何が変わるのか 年内にはスマートフォンを日本にも投入
その成果の一つが、x86サーバー製品の国内生産の開始だろう。
今年後半からNECPCの米沢事業所で生産を始める理由についてラピン氏は、「(これまでの2~3週間の納期から)5営業日で提供できるようになる。最新の生産体制もある」と説明。すでにレノボのPC「シンクパッド」上位機種の生産も2月から米沢事業所で始めている。グローバル規模で動くレノボの生産管理システムをNECPCのシステムに組み込むのに当初の想定を超える時間がかかったが、生産分野での協業がようやく軌道に乗った形だ。
製品の開発・展開の協力体制にも成果が出始めている。代表的例が、1月に米ラスベガスで開かれた家電見本市「CES」に出品され、多数の賞を受けたノートPC「ラヴィZ HZ550」だ。
2社が別法人のままの理由
NECPCの技術力をフル活用し、13・3型で世界最軽量の779グラムを実現した。NECPCが開発した製品として初めて、レノボの販路を通じて5月から海外でも販売される。会見で留目氏は「日本のモノ作りの強さをグローバルの文脈で輝かせることを実現できている」と力を込めた。
一方、スマホの国内展開について留目氏は、「PC、タブレット、サーバーにスマホを加え、サービスを含めて最適なソリューションを提供する」と表明。5月に通信会社が端末を自社の通信網以外で使えないようにする「SIMロック」解除の適用が義務付けられることから、大手通信会社から発売するほか、「SIMフリー」端末の販売も視野に入れているとみられるが、具体的な参入方法や端末に関する説明はなかった。
もっとも、レノボ・ジャパンとNECPCは事業の一体化を進め、社長も両社で同じながら、なおも別法人のまま。やや不自然に見える体制を続けるのは、国内でレノボのブランド力が特に40代以上の一般消費者の間で十分に浸透していないため、NECの看板を掲げる必要性があるからのようだ。
納期や性能が顧客開拓に結び付きやすいサーバーに比べて、一般消費者を相手にするスマホはブランド力がより重要になる。国内パソコン(PC)市場では26%のトップシェア(IDCジャパン調べ)を握るNECレノボはPC以外の収益柱を育てられるか。新社長の手腕が問われる。
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