昨年12月に発売が予告されていたBYDの電気自動車(BEV)「ATTO 3(アットスリー)」が、2023年1月31日より発売となった。
BYDというメーカー名を聞いたことのない人も多いだろう。実は中国深センに拠点を置く、新興ブランドなのだ。今回、発売されたATTO 3が、BYDの乗用車として日本発売第1弾モデルとなる。440万円という、BEVとしては身近な価格感が注目だ。
ATTO 3という新型車を詳しく見ていく前に、もう少しBYDについて触れておこう。
BYDは自動車メーカーであって、自動車メーカーではない。どういうことかというと、バッテリーメーカーとして創業した企業なのである。1995年に創業し、自動車のほかにも新エネルギーやIT エレクトロニクス、都市モビリティなど、さまざまな分野で事業を行っている。自動車分野ではBEVとPHEVを手掛け、世界70以上の地域で展開するグローバル企業だ。
あまり馴染みはないかもしれないが、BYDジャパンは2005年に設立されており、2015年から日本国内でBEVのバスを販売。また、京都ではBYDのワゴンモデル「e6」のタクシーが走っている。ATTO 3の導入は、BYDとして“満を持して”なのであろう。
ちなみに、これまでのバスなどの輸入販売はBYDジャパンが行ってきたが、今回のATTO 3をはじめ、一般向けの乗用車は2022年に設立されたBYD Auto Japanが行う。
「ヴェゼル以上、ハリアー未満」のサイズ感
では、国内初の一般向けBYD車、ATTO 3とはどんなクルマなのだろうか。ひとことで言えば、“電気で走るコンパクトSUV”である。
ボディサイズは全長4455mm×全幅1875mm×全幅1615 mmで、日本車で言うとホンダ「ヴェゼル」の全長4330mm×全幅1790mm×全高1580mmよりひとまわり大きく、全長4740mm×全幅1855 mm全高1660 mmのトヨタ「ハリアー」よりコンパクトというサイズ感。
車幅の広さが目立つが、グローバルで見れば特に大き過ぎるものではなく、たとえばボルボ「XC40(全長4440mm×全幅1875mm×全高1650mm)」とは、ほぼ同寸だ。
スタイリングにBEVらしさを主張するもの部分はあまり多くなく、フロントグリルがヘッドライトとつながるパネル形状となっているぐらい。切れ長のヘッドライトとあわせて、ATTO 3を印象づけている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら