災害時に見るCSRのあり方《2/2》--社員も参加し会社の顔が見える支援活動を


 ホンダやオリエンタルランドが行う支援活動は、その企業だからできる社会貢献であり、“顔の見えるCSR活動”といえるだろう。顔の見えるCSR活動は、社会貢献による効果はもとより、その企業の社員にとっても誇りとなる活動だ。こうした活動は、社員だけではなくその家族や地域住民の口の端にのぼり、企業のブランドを大きく押し上げる効果もある。

被災地のニーズに、自社の持つ資産やノウハウ、経験がどのように役立つかという視点で考えてみれば、中堅・中小企業であってもアイデアが出てくるだろう。

社員参加が企業一丸の風土をつくる

ソニーは平常時から社員参加型のCSR活動に熱心な企業である。今回の被災地支援では、義援金とともにラジオ3万台寄贈を発表している。これとともに、マッチングギフトと言われる手法を使って義援金を集めている。

マッチングギフトとは社員から募金を募り、それと同額を会社が拠出して寄付する制度である。ソニーのマッチングギフトには世界中のソニー社員が参加しており、毎回大きな額の寄付になる。マッチングギフトのよさは、被災地支援に社員が自分も参加しているという感覚を持てることである。企業の義援金はもちろん大事な活動ではあるが、これに社員が参加しているとなれば、会社が一丸となって活動している風土をつくることにつながる。

今後社員の中にボランティアを申し出て、被災地域に行く人も出てくるだろう。こうした社員を「ボランティア休暇」制度を構築して支援する企業も多い。たとえば短期の休職制度を設けて社員のボランティアを支援する企業も出てくるだろう。

昨今のCSR活動は“本業を通して行う”ということが考え方として定着してきている。本業を通して行う社会貢献には社員が参加しやすい。なぜなら本業の中で培ったスキルや経験を社会のために役立てるチャンスが出てくるからである。
 
 このように社員が自らの職業経験を社会のために役立てることは、自分の半生に対する前向きな気持ちを作り出す。その前向きな気持ちが会社に対する求心力となり、ますます元気な風土をつくり上げることにつながる。

東日本大震災の被災地支援を通して、自社の前向きな風土を同時につくり上げることができれば、支援を行えば行うほど自社のためにもなる。つまり被災地支援を行うほど自社が元気になる、という図式が作れる。

こういう好循環サイクルを多くの企業で作っていくことができるならば、日本は善意の社会インフラを持つ国として世界に自慢できることになるだろう。

株式会社クレイグ・コンサルティング (http://www.craig.co.jp/)

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