「私、本当に男運がないんです」
半年ほど前、入会面談室にやってきたあやみ(34歳、仮名)は、自嘲気味に言った。私大を卒業後は公務員になり、その職場でずっと働いている。仕事柄、派手なネイルなどはできないようだが、ふんわりとカールされたロングヘアにナチュラルメイク、ファッションも今風に洗練されていて、とても華やかな印象の女性だった。顔立ちも美人で、男性なら声をかけたくなるタイプだ。
結婚を考えていた相手が浮気
そこでどんなふうに男運がなかったのか、その恋愛遍歴を聞いてみた。
「男女の関係になる恋愛をしたのは、大学時代です。インカレで知り合った他大学の1つ上の男性でした。彼は1年早く大手企業に就職が決まりましたが、そこから関係がおかしくなっていったんです。『仕事が忙しい』という理由で、なかなか会えなくなった。直感で、ほかに付き合う女性ができたのではないかと思いました。私は、自分が就職したら結婚も考えていたのに」
あるとき、前々から決まっていたデートを、「仕事になってしまった」と急遽キャンセルされた。何となく虫の知らせで、仕事が終わりそうな時刻に「仕事終わった? 会社の近くに行くから夕食を一緒に食べようよ」とLINEを入れてみた。すると「今日はもう少し残業をする」という返信。そこで、「じゃあ、家に行って待ってようかな」と入れると、「とにかく今日は遅くなるから、また次回にしよう」と。
「何だか怪しいと思って、彼の1人暮らしのマンションに行ったんです。そうしたら、部屋に灯りがついていた。『部屋に灯りがついてるね。目の前のコンビニに私いるよ』と LINEを入れると、まもなく彼が慌てた様子でやってきました。しどろもどろの言い訳をして、家に女性を連れ込んでいたのが、バレバレでした。その一件があって、彼とは別れました」
かなりショックだったが、自身も就職を控えていた。心機一転、新しい環境での出会いに期待することにした。
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