にしおかすみこ「認知症、ダウン症」家族との日々 芸人の仕事は激減、物書きとして家族を支える

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母は連載を始めた時よりも認知症が進んできているとは思います。忘れるスパンが短くなっているし、少しずつできないことが増えてきています。以前は30分前のことを忘れていたら「今回は早いな」という感覚だったんですけど、今は母が何か聞いてきて、私が「それなら、あそこにあるんじゃない?」みたいなことを答えたらその時にはもう自分が聞いたことを忘れている。一回の会話のキャッチボールが成り立たない時も出てきています。

父が戦力になってくれたらうれしいんですけど、父は父でとんでもなくマイペースなんですよね。自分の流れで馴染みのお店に飲みに行って、酔っぱらって帰ってくる。昔に比べると、父と話す機会は今の生活になって増えたのかなとは思うんですけど、やっぱりマイペースはマイペースなので(笑)。そこは変わらないですね。

先は見えず、今を必死に生きている

コロナ禍前に比べると、今もお仕事の量は2割くらいだと思います。なので、なんとか書くお仕事をもっと頑張りたい。書くことで生活費を稼がないといけない。これがリアルな思いでもあります。

実家に戻ったのが2020年6月頃ですから、今で2年半ちょっと経ちました。日々、家族と向き合う中で何か改善方法とか、解決策みたいなものが見つかったかというと、特にないんですよね。何も解決できないまま、毎日が過ぎているのが現実です。

にしおかすみこ ポンコツ
厳しい状況を明るく笑い飛ばすにしおかすみこさん(写真:筆者撮影)

さらに、この先を考えると、みんな歳を取っていくし、これ以上良くなることはない。むしろ悪化していくのは間違いありません。今でもジタバタしているのに、これからどうなるんだろう。本当はそれでもいろいろ考えて良い方法を見出さないといけないんだとは思うんですけど、先のことを考えることから目を背けている。それもあると思います。

ただ、この状況で自分が倒れてはどうしようもないので、できるだけ“自分ファースト”を心がけてはいます。何とか息抜きの時間を作ろうと思って、たまには高いカフェでご飯を食べたり、野菜やフルーツの表面を飾り切りするカービングをやったりはしています。

あと、愚痴ります(笑)。マネージャーさんにも、スタッフさんにも。あまり社交的ではないので友だちが多くないんですけど、仕事場でスタッフさんを見つけて愚痴る。周りは迷惑だとも思いますけど、皆さん、本当にやさしく、懐が深い人たちなので助けられています。

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