茨木、岸和田…特例23市の議員報酬ランキング 統一地方選挙で議員報酬は争点にならないのか
今回、実態を調査するために数名の地方議会議員にインタビューを試みました。党として議員報酬の削減に取り組んでいる「日本維新の会」に所属する前加古川市議会議員(日本維新の会。2023年実施予定地方議会議員選挙公認候補予定者)の鍔木良子(つばきよしこ)氏は次のように言います。
「日本維新の会では、国政選挙において議員報酬と議員定数の3割減といった「身を切る改革」を掲げています。主要政党のなかで議員報酬と議員定数の問題に言及したのは維新の会のみです。昨年末の臨時国会では、月額100万円の「文書通信交通滞在費」の問題が浮上しましたが折り合いがつかず結局は法改正が見送られることになりました。今、政治に不信感が広がっています。長い不況の中で税金を払う側は苦しいのに、税金をいただく側に常識を越えた特権があるようでは政治に信任を得ることができません。真摯な対応が必要だと考えます」
2021年10月31日の衆議院選挙後に「満額」が振り込まれたことにより「文書通信交通滞在費」を巡る問題は、連日メディアで報道されます。その後は、与野党ともに「日割り」にするだけで決着をつけようとする姿勢が強く見受けられました。「文書通信交通滞在費」の問題は日割りではなく「報告・領収書提出義務」がないことです。使途の公開義務まで議論が進まなければ何ら意味はないのです。参考までに、鍔木氏が住んでいる兵庫県加古川市は特例市に属しています。
「政令指定都市ほどではありませんが、加古川市議会議員も血税から議員報酬や活動費をいただいています。目に見えるカタチで情報を公開しなければ納得は得られないと考えています」
議員報酬は争点にならないか
月額報酬は各自治体の人口によって決まります。政令指定都市でもっとも人口が多い、横浜市は人口約377万人、市議会議員の報酬は月額95万3000円となります。さらに各種手当を含めると、総額2300万円を超えます。今回、特例市の議員報酬を調べましたが、その額は月額43万~60万円の範囲に収まり、横浜市とはかなりの開きがあります。
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、日本における部長の平均月収は60万2000円、課長は49万2000円です。特例市の議会議員の報酬は月額で、課長~部長のレベルに収まります。特筆すべきは手当の多さです。政務活動費は給与ではありませんので自由に使うことができませんが、使途公開が進まず透明性には程遠い状況です。
現在、地方議会で議員報酬をアップさせる動きが散見されます。しかし、「適切な報酬額」を導き出すことも簡単ではありません。第20回統一地方選挙は2023年4月に行われる見通しです。各党とも実りの少ないマニフェストを掲げますが、議員報酬のあり方は争点の1つになりえると思います。
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