「上司だけ話している会議」「盛り上がる会議」の差 会議をより活発化させるために必要な3つの事

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会議風景
上司だけが一方的に話す会議をより活発化させるには何が必要なのか(写真:mits/PIXTA)
「日本の会社は会議好き」とされるが、あなたが参加している会議ははたしてどれだけ生産的だろうか。企業の働き方改革を支援するクロスリバーの代表・越川慎司氏の著書『17万人をAI分析してわかった 最強チームの条件を1冊にまとめてみた』では、800社17万人のビジネスパーソンの行動履歴をAI分析し、「困難を乗り越えるチーム」に共通する条件を導き出した。本稿では同書より上司だけが話す会議をより活発化する方法を紹介する。

「仕切り役」がいる会議といない会議の差

社内会議の時間を短くして質を高めていきたいというクライアント企業は大変多く、ご協力頂いて会議を録画・分析しました。オンラインの会議を録画したり、会議室で行う社内会議を録音・録画するために360度カメラなどを設置し、データを収集しました。

その結果、「特定の人がずっとしゃべっている会議はうまくいかないものが多い」ということがわかりました。特に役職の高い人がしゃべり続ける「独演会状態」を、部下たちが我慢して聞いている会議が散見されました。

また、200社以上の会議改革を支援した一環で、ファシリテーター(仕切り役)を育成して、その人がいる会議と、いない会議でどのような違いが出るかを実験してみました。すると、ファシリテーターを立てた会議は、時間内に終わる可能性が32%高まり、事前に想定されていたアジェンダ(議題)がしっかりとカバーされる確率も40%高まるという結果となりました。

ファシリテーターを立てないと、参加者の中で最も高い役職者(上司)がずっと話し続けてしまう確率が53%も増えることも判明。上司自らが取り仕切ってしまうと、上司本人が会議時間の7割以上、ずっと話してしまうという暴走状態が多発することもわかりました。

こうした「上司の暴走」が発生する原因は3つです。1つ目の理由は相手の理解度がわからないからです。上司は良かれと思って喋り続けているのです。相手が本当に理解しているかがわからないと、理解させるために、何度も同じ内容を、熱を込めて説明してしまいます。だから、同じことをずっと話してしまうのです。

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