「上司だけ話している会議」「盛り上がる会議」の差 会議をより活発化させるために必要な3つの事

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2つ目の理由は「伝わる」よりも「伝える」を優先しているからです。会議の目的は「伝える」ことではなくて「伝わる」ことであるはずなのに、それに気づいていないのです。会議は参加者の行動を促すのが目的ですから、アイデアを出したり、情報共有したりしても、最後は協議によるアクションを決めないとビジネスにインパクトを残すことはできません。

行動するのは参加者(部下たち)ですから、「伝わる」コミュニケーションにしなくてはいけません。「伝える」は自分が主役、「伝わる」は相手が主役です。自分が言いたいことを言う「伝える」コミュニケーションでは、相手は行動を起こしてくれません。

3つ目の理由は、心理的安全性の欠乏です。「好きなことを話せる」という心理状態になっていないと、部下たちは発言しません。発言がないと、上司の暴走を止められません。意見が言えない、話さない、だから上司が話し続ける……。これが暴走の3つ目の理由です。

①上司は「参加者=部下が自分の話を理解していない」と認識している
 ②「伝わる」より「伝える」を優先している
 ③心理的安全性がない

上記の理由で、会議時間の約7割を上司が話し続け、部下たちが仕方なく聞いているだけ、つまり時間を浪費するだけの会議になってしまうのです。こうした「上司の暴走」にどう対処していくべきか……と悩む人は多いです。

「聞いている側」の反応も重要

こうした中、クライアント各社で行動実験を行った結果、上司の話しすぎに歯止めをかけられる確率が高かったのは次の3つです。

① 大きくうなずいて、「聞いていること」を上司に見せる

うなずきというのは、いわゆる首を縦に振る動きですが、できる社員はうなずきが深いのです。特にオンライン会議では、顎と頭がビデオ映像の画角からはみ出るくらい大きく深くうなずいている人がいました。「あなたに興味・関心があって、しっかり聞いていますよ、理解していますよ」という熱意を相手に伝えているのです。このように相手の話を理解していることを伝えれば、前述した「聞き手の理解度がわからないから、話し続けてしまう」という問題を解決することができます。

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