ゴルフ・ヴァリアントTDIの燃費について、日本仕様の数値をみると、高速燃費はリッター当たり22.2キロ(WLTCモード)に達している。
クリーンさが強調される今回のディーゼルユニットは、排ガス中の有害成分を大きく減じている点が、フォルクスワーゲンの強調するポイント。
最高出力150PS、最大トルク360Nmのスペックを誇る1968cc4気筒ターボエンジンに採用された技術は、VWが「ツインドージング」と名付けたもの。別名「デュアルAdBlue噴射」だ。
ディーゼルエンジンの排気中の窒素酸化物を浄化するため、アンモニアを噴射する尿素SCR(Selective Catalytic Reduction=選択的触媒還元」を2つそなえている。
2つにした理由は、排ガスの温度に応じて複数の触媒を使うのがより効果的だから。
1つはPM(粒子状物質)フィルターにくっつけている。もう1つの尿素SCRは、エンジンから離して車体下部に設置。後者は100度Cより低い温度で機能する。
「これによって、排ガスの有害成分は以前のエンジンより80パーセント減じることができます」
フォルクスワーゲンはそうプレスリリースに記し、欧州委員会による「ユーロ6d」の規制値を下回るとする。
はたして、「EA288 evo」というこのエンジンによって「より高いドライビングプレジャー、よりよい燃費と、より低いエミッション(排ガス中の有害成分)を実現しています」とVW。
低回転から高トルク、市街地で扱いやすい
かつて、ディーゼルエンジンは高速道路などを一定速度で走行してこそ、エミッションが低下するといわれていた。
いまの技術は、広い速度域でエミッションを低減。ディーゼルエンジンのいいところを拡張してくれる。なので、ディーゼルエンジンがけっこう好きな私としてはうれしい。
このところのディーゼルエンジンの出来のよさには感心している。先にふれたマツダの新ディーゼルエンジンをはじめ、メルセデス・ベンツやBMWも、たいへんよい出来のユニットを手がけている。
ゴルフ・ヴァリアントTDIに乗ってまず感心したのは、エンジン低回転域からトルクがたっぷり出るディーゼルユニットによる、市街地での扱いやすさだ。
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