「ヒットするアイデアを出す人」が絶対やらない事 奇想天外の発想を生み出す「2つのアプローチ」

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
拡大
縮小

短時間でアイデアの種を見つけるアプローチ、もうひとつは「特徴を伸ばす」です。製品の特徴や使用シーンに着目して、「もっとこうなればいいのに」と考えてみます。物理的な特徴をより強調したり、可愛く、かっこよく、面白く見せたり、機能や使い方をより便利にしてみたり、といった考え方です。

どの製品にも使えるアプローチであり、幅広くアイデアを考えたいときや、アイデアを量産したいときにとても有効な手法です。慣れてくると、世の中のすべてのものがアイデアの題材に見えてくるでしょう。

特徴を伸ばすアプローチ例

「特徴を伸ばす」アプローチでアイデアの種を考える方法をお教えします。まず、なんでもいいので既存の製品を取り上げて、その製品の「物理的な特徴」や「使い方の特徴」を書き出していきましょう。ここでも「付箋」を取り上げて考えてみましょう。

「一部だけ飛び出ている」
「大事なところの目印になる」
「勉強で使うことが多いアイテム」
「やるべきタスクをメモするときに使う」

付箋の物理的な特徴や、使い方の特徴を書き出していくと、これらが挙げられます。次に、これらの特徴に対し、「もっとこうなるといいのに」というプラスアルファの価値を考えていきます。

「ありそうでなかったアイデア」のつくりかた
『「ありそうでなかったアイデア」のつくりかた』(クロスメディア・パブリッシング)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

「一部が飛び出ている」→「一部だけ見えていると可愛い付箋」(より可愛くなる)

「タスクをメモする」→「タスクをこなすモチベーションが上がる」(より便利になる)

こうすると、考えるべきアイデアの方向性が明確になります。「課題を解決する」「特徴を伸ばす」。私のアイデアのほとんどは、この2つのアプローチによって生まれています。そして、「見立てる」「ちょっと変える」という2つの発想法によって、アイデアを生み出しているのです。

たとえば、「課題を解決する」ことで生まれたのが、「メモリつき付箋」や「目印をつけられる紙コップ」です。「特徴を伸ばす」ことで生まれたのが、タスク管理が楽しくなる「指折り付箋」です。

評価されるアイデアを生むために才能や努力は必要ありません。最短でゴールにたどり着くための「方法」を知っていることが大切なのです。

付箋
(出典:『「ありそうでなかったアイデア」のつくりかた』より)
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT