「ヒットするアイデアを出す人」が絶対やらない事 奇想天外の発想を生み出す「2つのアプローチ」

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私がTwitterに投稿し、大きな反響を呼んだ「繁華街になる付箋」も、「お題から離れて」考えたアイデアでした。繁華街を歩いていたらたまたま目に入った看板から、アイデアを考えたのです。

夜の繁華街にはすごい量の看板がきらめいていて、私は圧倒されてしまいました。この光景が面白いと感じ、なにかほかのアイテムに落とし込めないかなと考えました。そこで、「平面から四角いものがぴょこぴょこ飛び出ている」という繁華街の看板の特徴と、本から飛び出す付箋が似ていると感じたため、組み合わせてみたのです。

おそらく「付箋」というお題から、「繁華街の看板に見立てる」というアイデアにたどり着くのは、難易度が高いと思います。たまたま目に入ったものを、自社が扱う商品といった「お題」に掛け合わせることで、「意外性」や「独自性」のあるアイデアが生まれるのです。

ここで気をつけなければいけないのが、「お題」から離れて考えるぶん、「共感」が薄くなる可能性もあることです。「ユニークなだけだよね」で終わってしまうということです。「わかる、たしかに付箋と看板は似ているよね」という「なるほど感」はあっても、「驚き」は生まれません。

そこで必要になるのが、後付けでもいいので「コンセプト」を設定することです。私はアイデアのコンセプトは「後付け」でもいいと考えています。アイデアが求められる場にもよりますが、基本的にアイデアは、面白さや斬新さがあれば評価されると考えています。

先ほどの「繁華街になる付箋」なら、次のようなコンセプトが後付けできるでしょう。

「勉強すればするほど繁華街が仕上がり、モチベーションが高まる」「キャバクラまみれになる人や、居酒屋街になる人など、自分だけの本がつくれる」「台湾や歌舞伎町など地域ごとに作れば、お土産としても需要がある」のように、見た目での面白さを考えた後に、「使うことでどんな価値が生まれるか(=コンセプト)」を考えることが重要です。そうすることで、ただ面白いだけの思いつきのアイデアも、誰もが「ほしい!」と思うアイデアになるのです。

お題に縛られてアイデアの幅が制限されるくらいなら、一度シンプルに「ほしい」と思えるアイデアを考えてみてください。「コンセプトはあってないようなもの」という気持ちで、ときには思いつきでアイデアを考えてみましょう。

「課題」を解決できないか考えてみる

とはいえ、「お題から離れて考える」アプローチによってよいアイデアが見つかるまでには、時間がかかることもあります。そこで、私が実践している、短時間でアイデアの種を見つける2つのアプローチを紹介します。

ひとつめは「課題を解決する」方法です。近年、アイデア商品と呼ばれるものは増え、雑貨屋には、既存の製品を少し可愛くしたものや、使い方を面白くしたものが多数並んでいます。ですが、ただ「面白い」「可愛い」だけでは埋もれてしまいます。生き残るためには、誰かのピンチを助けるような力強いアイデアが必要なのです。

付箋
(出典:『「ありそうでなかったアイデア」のつくりかた』より)
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