トヨタが見せつけた企業成長の本質
前編では、トヨタ自動車はすごいという話をしてきました。トヨタがどれほどすごいのか。今回刊行した第2巻から、取り上げてみましょう。
次の図で、赤い実線がトヨタの実質売上高の推移になります。そして、青のほうが日産自動車です。
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昨今、しばしば成長とか成長戦略という言葉が使われますが、成長とはどういう現象かをきちんとわかっている人は少ないのではないでしょうか。
トヨタの成長は確かにすごいのですが、企業1社を取り上げたところで、そのすごさはわからない。かつては同じ場所にいた他社と比べ、その足跡を比較したときに初めて、そのすごさがわかるのです。
1965年、最初の東京オリンピックの翌年から1980年ぐらいまで、トヨタと日産の間にはちょっとは差がついていますが、差が開くという状態にはありません。
この時期は、トヨタと日産のデッドヒートの時代です。抜きつ抜かれつとまでは言いませんが、単月ベースで見ると、日産がトヨタの上に来る月もありました。
ところが、1982年を境に大きく差がつき始めて、その後の日産は二度とトヨタの背中を見ることがないというところまでトヨタが引き離しました。
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