トヨタとアップルにあって他社にはない戦略とは 「成長戦略」と唱えるだけの日本企業の大問題

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ところがそのGMが、リーマンショックで破綻して、オバマ政権に救済を仰ぐことになりました。その時点で、もうGMとの戦いも終わったということで、そこから先のトヨタの仮想敵企業はフォルクスワーゲンです。

今、年産1000万台近辺でトヨタが戦っている相手はフォルクスワーゲンです。これは、トヨタにとって今までにない敵です。

一方でゴルフのような手堅い実用車を持ちながら、ポルシェのような高級車も持っている、アウディも持っている。ベントレーやシュコダも持っていて、トヨタよりもはるかに扱う車のレンジが広い。

フォルクスワーゲンが何よりも手ごわいのは、中国の国民車が、上海一汽フォルクスワーゲンの生産するジェッタだということです。そして、共産党の人たちが乗る車はアウディです。

つまり、中国の公用車と言って過言ではないのがフォルクスワーゲンで、トヨタにしてみると、アメリカに一生懸命になっている間に中国が巨大市場化して、気がついてみたらフォルクスワーゲンがそこを占拠していたということになっている。

それに挑戦しているのが今のトヨタです。

重要なのは成長へのギアチェンジ

企業の成長は、毎日毎日ちょっとずつという話ではなく、こうして明確にステージを切り替えて、一段一段階段を上っていくような話なのです。

そして、次の階段を上るところでは、経営の意思によって明確にギアチェンジをしなければいけません。

「このタイミングでのギアチェンジとは何か」を議論せずに、ただ成長とか成長戦略と振り回したところで、何の意味もないのです。

成長という目標を掲げるよりも、次のゲームにステップアップするために、自分たちは何を変えるのかをはっきりさせなければならないということです。

トヨタは日本、アメリカ、そして世界へと、ギアチェンジしてきました。

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