ついに見つけた「隠れた日本の宝」となる110社 「経営戦略の実戦」に込めた経営学者の狙いとは

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では、モーツァルト、ベートーベンに匹敵する20世紀の偉人は誰でしょうか。

プロコフィエフ、ショスタコービッチかといっても、比べたら悪いなというぐらいに差がつきます。絵画も同様です。

20世紀になってから人間のクリエイティビティはいったいどこに行ってしまったんだと、たまに考えることがあります。

大企業経営の難しさは今はわからない

私の答えは、20世紀に花開いた最大の芸術は、実は大企業の経営である、というものです。

ですが、今を生きる私たちにはおそらくそれがわからない。19世紀を生きていた人も、モーツァルトの偉大さはわからなかった。モーツァルトの亡骸は無名墓地に入れられて、どれが彼の骨かもわからない状態です。

それと同じことは20世紀にも起きていると思います。

22世紀、23世紀の人から見たら、20世紀に大企業をつくり上げた人々はすごいと、おそらく改めて気がつくのではないでしょうか。

企業経営者と言われて思い浮かぶのは、アメリカでは、バンダービルト、カーネギー、またはロックフェラー、ディズニー。日本では、松下幸之助、本田宗一郎、孫正義、柳井正と、創業経営者が一般的です。

しかし、創業経営者が心血を注いで会社の経営にあたるのは当たり前と言っていい。そして、創業経営者がその会社の第一人者であることを疑う人はいません。よって、彼らが何万人の社員を束ねて右、左と動かすのは比較的簡単です。

意のままに人を動かす難しさ

それに比べると、いわゆるサラリーマン経営者、一介の社員として会社に入った人が、あるいは創業経営者の息子や孫といった人でさえ、経営の舵を取って社員を動かすということは、実は非常に難しい。

人を意のままに動かすということは、想像を絶するぐらいに難しいことです。動いているように見えても、面従腹背だらけです。みんな「はい、わかりました」とは言いますが、わかっている人などおらず、わかっているふりをするだけです。

そういう状態で何万人、何十万人という会社の指揮を執る。これは何十人からなるオーケストラをぴたっと名演奏に導くよりも、何十倍も難しい仕事だと思います。しかも、今の会社は何兆円という売り上げの数字を叩き出します。

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